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2019年 研究領域・テーマ:資源・エネルギー・環境

イノベーションを通じたエネルギー・地球温暖化問題の解決に関する研究

プロジェクトリーダー
プロジェクトメンバー  ・ 
プロジェクトの目的 国際的なエネルギー需給、地球温暖化等に関する情勢が大きく変化する中、資源・エネルギー・環境は依然重要な政策課題問題である。そこでは、イノベーションを通じて、将来の経済社会を支えていく持続可能なエネルギーシステムの構築が求められている。そこで、本研究では、これらの課題に関する国内外の最新動向を把握しつつ、変動する国際情勢によるエネルギー市場の不安定性、エネルギー需要分野における構造変化、地球温暖化などの環境制約、アジアの急速な成長によるエネルギー需要の増大などの課題克服等に向けた、長期的なイノベーション促進及びエネルギー・地球温暖化対策のあり方を検討する。
エネルギー・地球温暖化問題については、現在の日本においては観念的な議論がなされがちなところ、エビデンスに基づいた議論を喚起するために、国内における幅広いステークホルダーを対象とした情報発信を行い、以てバランスのとれた政策形成に資する。 
また、IPCCの第6次評価報告書(2021年7月に刊行予定)の執筆作業が2019年より開始される。この活動に「イノベーションとテクノロジー」担当の統括執筆責任者として杉山研究主幹が参加する機会を活用して、地球温暖化問題とエネルギーの総合的理解を図り、求められるイノベーションを加速するための方策を柱とする横断的な戦略を検討する。
地域的な重点としては、アジア地域、就中、中国においてイノベーションとエネルギー・環境対策がどのような展開を辿るか、特に調査分析を行うこととする。
プロジェクトの概要 1. IPCC活動と地球温暖化問題の総合的理解及びイノベーションの加速によるエネルギー・地球温暖化対策に関する戦略の検討
IPCC会合、政府の委員会等に出席し、研究者およびステークホルダー等と意見・情報交換を行うとともに、エネルギーと地球温暖化対策を一体のものとして位置づけ、この問題への対応する戦略として、イノベーションの加速・推進を基軸に据え、国内制度・国際制度の設計のあり方についても検討を行う。検討の結果は、著名な国内研究者との共著により啓蒙的な書籍を刊行すること等を含め、エビデンスベースの議論を国内で喚起するために、専門誌や学会等の場を活用して幅広く情報発信を行う。
2. 中国におけるイノベーションおよびエネルギー環境対策の調査分析
アジア地域において最も重要なプレーヤーである中国について、イノベーションおよびエネルギー・環境対策の実態を調査分析する。
3. エネルギー環境セミナー
上記1、2に関連して、国内外のトップレベルの専門家による講演会を開催し、最新動向をCIGS内外に提供する。
4. 研究者・政策担当者のためのエネルギー研究会
Evidence-basedな政策立案や政策の基礎となる社会合意形成などのために、分野や立場を超えた若手研究者を国内外から招聘し、ワークシップやセミナーを継続的に開催することで、イノベーション・エネルギー・環境に関して幅広い観点から議論を継続し、若手研究者や政策担当者等が交流し切磋琢磨し、また新しいアイデアが創発される場を提供する。
5. アジア主要国との意見交換
アジア主要国の研究者、政策担当者等と面談・ワークショップ等を通じて意見交換、情報収集を行う。

原子力安全の確保に関する法的分析

プロジェクトリーダー
外部協力メンバー 豊永 晋輔(弁護士)
プロジェクトの目的 現代では、科学技術の発達に伴うリスクを、法的観点から分析する必要性(いわゆる「科学技術と法」)、あるいは、より広く科学技術をいかに安全・有効に社会において活用していくのか(「科学技術とガバナンス」)についての検討の必要性が高まっている。たしかに、裁判における科学技術と法との関係を検討した研究はこれまでもあった。しかしながら、科学技術を政策に取り入れる際の法制度のあり方、民主制の下で科学技術のリスクを統制する法制度のあり方について研究したものは少ない。このような研究は、伝統的な科学技術を超えた、いわゆるレギュラトリー・サイエンスの一分野でもあり、法的分析が強く望まれている分野である。そこで、科学技術と法制度の研究、具体的には、大規模複合的で有用な技術であると同時に、公衆被害を惹起するリスクも大きいという特性を有する原子力技術について、その法制度を対象として、安全確保をいかに図るかという観点から研究を進めたい。また、研究に当たり、①原子力産業に対する投資の安定を確保する法制度のあり方、②技術革新を促進する法制度のあり方、③市民意識や立法技術の進展等国際的な潮流に照らした法制度のあり方、④核エネルギーの利用に関する国民的議論を喚起することにより、責任の所在を明確にする法制度のあり方、⑤標準化・認証による効率性の向上を確保する法制度のあり方、⑥経済やエネルギーに関する法制度の一部としての原子力法制のあり方という観点を加えたい。これにより、原子力に止まらない、応用可能性の高い研究が可能になる。
プロジェクトの概要 本年は、原子力損害賠償制度との関係についてこれまで分析してきた結果を総括し、来るべき法改正に向けた提言として公表する。第1に、政府が作成した原子力損害賠償法の中間とりまとめにおいて3本の柱となっている点、①仮払い・立替払い、②実効的な紛争解決手続き③消滅時効の特例について詳細に検討したうえで、政府の改正案で残された課題についても検討する。また、第2に、福島事故後にできた制度(原子力損害賠償・廃炉等支援機構、ADR制度など)について、評価を加える。第3に、原子力事業の特殊性と普遍性を見極めて、これまでの検討結果を他の分野に応用する際の視座について分析したい。なお、原子力損害賠償に関する提言の公表に当たっては、福島事故を踏まえた知見を、広くグローバルに提供するために、日本語と英語で公表する。
検討・分析に当たっては、法内在的な検討に加えて、経済学的分析や、技術や政策の有識者の意見を積極的に採り入れるため、1~2カ月に1回の有識者による研究会、6カ月に1回程度の事業者(原子炉メーカーなど)との研究会、及び、6カ月に1回程度のワークショップを開催する。
これまでの検討の過程で浮上したリスク評価等さまざまな課題は、本来原子力のみならず科学技術の成果を社会に応用する際に不可避的に生じるものである。このような横断的課題についても「科学技術と法」あるいは「科学技術とガバナンス」の問題として検討することも考えられる。

持続可能な海域の総合利用の検討と日中交流

プロジェクトリーダー
外部協力メンバー 多部田 茂(東京大学教授)
プロジェクトの目的 海洋分野における地球温暖化の学術的な研究や政策的な議論は、温暖化被害等の影響やそれを軽減するための適応策に集中する傾向がある。ブルーカーボンや再生可能エネルギー等の温暖化抑制に貢献する海洋資源の利用は、経済性の制約でなかなか進まない。一方、人類社会の持続可能性に脅威を与えているのは、エネルギーと温暖化のみならず、水資源や食料等の不足も予測されている。陸域の開発が達成されつつある現在、これらの課題を解決するのには、海洋の開発利用は大きく期待されている。そこで、本研究は海域におけるエネルギー・食料統合的に生産するシステムについて、技術性、経済性と環境性の側面から総合的に評価し、持続可能な海洋開発利用を検討する。
また、海洋問題は日中関係における大きなネガティブ要素となっている。両国の専門家による議論・交流を通じて、持続可能な海洋開発利用に関する協力により共同利益の創出を期待したい。
プロジェクトの概要 1. これまで考案した離島ベースとメガフロートベース二種類の海洋資源総合利用システムの持続可能性を評価するフィ-ジビリティスタディを行う。
2. 日中専門家交流を行う。
3. 学会ないしは専門誌において成果を発表する。

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