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2019年5月16日(木)15:30-17:00開催 場所:キヤノングローバル戦略研究所 会議室

CIGS エネルギー環境セミナー 「年縞から見えてくる、気候変動の「リアル」な姿-湖底の泥に刻まれた詳細な歴史-」

 キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は2019年5月16日に、立命館大学教授 古気候学研究センター長の中川毅氏を招き、CIGSエネルギー環境セミナーを開催しました。

講演者の中川毅氏より、以下の講演があった。

福井県水月湖(すいげつこ)の湖底をボーリングして、50メートル分の地層サンプルを得た。顕微鏡で見ると、そこにはさまざまな花粉があり、過去7万年にわたる景観と気候が再現できた。それは、広葉樹が広がる現在のような温かい気候であったり、あるいは、シラカバが生えるような北海道やシベリアのような寒い気候であったりした。ここでの自然景観および気候は、激しい変動を繰り返してきたことが、鮮やかに蘇った。その変化の速さは、現在シミュレーションで予測されている地球温暖化を上回る場合もあったようだ。

この講演を受けて、参加者との間で活発な質疑応答が行われた。


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(左から中川氏、杉山氏)

開催概要
題目: 「年縞から見えてくる、気候変動の「リアル」な姿-湖底の泥に刻まれた詳細な歴史-」
発表者: 中川 毅(立命館大学教授、古気候学研究センター長)
モデレーター: 杉山 大志 (キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)


プログラム
ProgramPDF: 217KB


発表資料
中川 毅 発表資料PDF: 3.54MB


講演趣旨
有史以前の気候変動について理解するには、地質学的なアプローチが必須である。しかし、従来の地質学は、数年〜数十年といった、人間にとって切実な時間スケールを扱うことをどちらかといえば苦手にしてきた。このことは、直近の未来予測を行おうとする上でも、大きな足かせとなっていた。
「年縞(ねんこう)」と呼ばれる特殊な堆積物が、このような状況に風穴を開けるかもしれない。福井県の水月湖にある年縞堆積物の中には、過去7万年の気候変動の歴史が、一年ごとに詳細に記録されていた。年縞を通して見えてくる「今と似ていない時代」について、当時を生きた人々の視点から概説する。


講師紹介
1968年東京生まれ。京都大学理学部卒業、エクス・マルセイユ大三大学(仏)博士課程修了。Docteur en Sciences(理学博士)。国際日本文化研究センター助手、ニューカッスル大学(英)教授などを経て、2014年より立命館大学古気候学研究センター長。専門は古気候学・地質年代学。気候変動の詳細な「タイミング」と「順序」の復元を通して、変動のメカニズムに迫ることを目標としている。趣味はオリジナル実験装置の発明。2013年大和エイドリアン賞受賞。2017年「人類と気候の10万年史」で講談社科学出版賞受賞。