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2019年2月7日(木)16:00~17:30開催 場所:キヤノングローバル戦略研究所 会議室

CIGSセミナー 「『中国製造2025』と中国のイノベーション」

 キヤノングローバル戦略研究所(CIGS)は2019年2月7日に、東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授のセミナー を開催しました。

丸川知雄氏から、以下の内容で講演がありました。

・ペンス米国副大統領は2018年10月の中国政策に関する演説で、「中国は『中国製造2025』を実施することで世界最先端の産業の9割を支配しようとしている」と述べたが、私は「中国製造2025」から、世界のハイテクの9割を支配するという意図は読み取れなかった。
・2017年に中国のマスコミで言われた新四大発明(高速鉄道、QRコード決済、シェア自転車、ネットショッピング)のうち、1つしか「中国製造2025」には出てこない。
・「中国製造2025」は抽象的な「強国」が目標となっているだけで、いかなる需要にこたえるための産業なのかという視点を決定的に欠いている。
・結局、「中国製造2025」は、世界全体あるいは中国自身の課題にどう立ち向かっていくかということよりも、「製造強国」のなかでのランキングを上げることだけが目的の政策で、いかにも「キャッチアップ志向」である。
・他方、中国では、情報通信産業を中心に日本を上回るスピードでイノベーションが起きている事例が多くみられる。

これを受けて、参加者との間で活発な質疑応答が行われました。


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(左から丸川氏、杉山氏)

開催概要
題目: 「『中国製造2025』と中国のイノベーション」
発表者: 丸川 知雄(東京大学社会科学研究所 教授)
モデレーター: 杉山 大志 (キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹)


プログラム
ProgramPDF: 264KB


発表資料
丸川知雄 発表資料PDF: 1.99MB


開催趣旨
昨年来の米中貿易戦争の一大テーマが「中国製造2025」です。アメリカは中国がこの政策を使って世界のハイテクの9割を支配しようとしている、と非難しています。果たして中国はそのような技術超大国になるのでしょうか?
本セミナーでは中国におけるイノベーションの意味を問い直しつつ、「中国製造2025」をどうとらえたらいいのか、日本はこれにどう向き合えばいいのかを考えます。


講師紹介
1964年東京生まれ。1987年東京大学経済学部卒業。アジア経済研究所研究員を経て、2001年東京大学社会科学研究所助教授。2007年より現職。
主要著作:
『現代中国の産業』(中公新書 2007年)
『チャイニーズ・ドリーム:大衆資本主義が世界を変える』(ちくま新書 2013年)
『現代中国経済』(有斐閣 2013年)
末廣昭・田島俊雄・丸川知雄編『中国・新興国ネクサス:新たな世界経済循環』(東京大学出版会 2018年)