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2019.01.21

国際情勢、日本に好機

日本経済新聞 2019年1月10日掲載

  • Celine Pajon
  • International Research Fellow
    Celine Pajon
  • [研究分野]
    Japanese domestic affairs, foreign and defense policy
 欧州にとって日本の重要性は以前より高まっている。トランプ米政権は自国第一主義に傾き、中国も疑問を抱かせるような行動がある。安倍政権には自由貿易や多国間主義、航行の自由といった価値観を欧州と共同で守るために国際社会をリードしてほしい。
 例えば議論が盛り上がりつつある国連改革や世界貿易機関(WTO)改革で役割を果たせるはずだ。2019年は20カ国・地域(G20)の議長国でもあり、議論を前に進められる立場にある。
 国際社会での対応が従属的だと批判されがちだった日本にチャンスが訪れているともいえる。最近では日本は「環太平洋経済連携協定(TPP)11」や欧州との経済連携協定(EPA)をけん引するなど積極的な姿勢がみえつつある。さらに期待したい。
 内政では高齢化社会、伸び悩む消費といった中長期的な問題への政策が日本の発展のためには必要だ。
 ただ、実際には19年は北方領土交渉、消費増税、天皇陛下退位など数多くの日程がある。それぞれに追われる政権運営になりそうだ。
 春の統一地方選、夏の参院選までにどう世論が動くかに注目している。先日成立した改正出入国管理法は日本の将来にとって歓迎すべき一歩だったが、党内外で政権への不満が高まる一因となった可能性がある。
 バラバラの野党が結束すれば、参院選で与党が改憲に必要な議席の3分の2を失うシナリオも考えられる。
 もし改憲で自衛隊の存在が何らかのかたちで明記されても、欧米諸国では「実質的な変化ではない」との受け止めが主流になりそうだ。
 既に憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使が一部可能になっており、安全保障で日本は国際的な貢献ができると考えられているからだ。反発があるとすれば、一部のアジア諸国からだろう。

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