本文へスキップ

2020.01.20

厚生労働省新HTA 制度 第9回 OECD 提言から見た制度化後の課題

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.50 No.12 (2019)に掲載

はじめに


 厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)による費用対効果評価は、2016 年4 月より試行的に開始された1)。財政的影響の大きい医薬品・医療機器を対象に、必要な費用と生み出される効果を検証する制度である。奇しくも令和元年が本格導入の元年となり、中医協は費用対効果に基づく薬価調整の方式を制度化した2)

 医療保険財政の悪化への懸念は財務省にも共有されている。本年5 月21 日、麻生財務相は高額の白血病治療薬「キムリア」が翌日から保険適用となることを受け、「高額医薬品の保険適用には、費用対効果を見極めるべきだ」との認識を表明した。これには、財務省側の経済財政諮問会議が、費用対効果評価を保険適用可否の判断に用いるべきとするなどの新薬価制度を提案しているという背景がある。今後、議論を積み重ねるべき重要な課題であることは間違いないが、今回のシリーズ第9 回では、あらためて広く制度化後の課題について考える。

 そこで、2018 年11 月末に公表された経済協力開発機構(OECD)による医薬品のイノベーションとアクセスに関する報告書3)に着目する。これは、G7 健康大臣会合2016神戸4)を受けて報告されたものである。このOECD 報告書を手掛かりにして、中医協による費用対効果評価の制度化の今後の課題をとらえ直してみたい。・・・



→全文を読む

<医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団より許可を得て医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.50, No.12,764~769(2019)より転載。同機構への許可なく無断で記事転載を禁じる。>
厚生労働省新HTA 制度 第9回 OECD 提言から見た制度化後の課題 PDF:1.2 MB




1) 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門部会・薬価専門部会・保険医療材料専門部会合同部会(第19 回):第19 回合同部会資料【会議資料全体版】.平成31年3月27日 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000494007.pdf(, accessed 2019-04-24).

2) 鎌江伊三夫.厚生労働省新HTA 制度, 第8 回費用対効果評価・本格導入の概要と論点.医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス.2019, 50(7), p.390-397.

3) OECD( 2018). Pharmaceutical Innovation and Access to Medicines, OECD Health Policy Studies, OECD Publishing, Paris, September 29, 2018.http://www.oecd.org/health/pharmaceutical-innovation-and-access-to-medicines-9789264307391-en.htm(, accessed 2019-09-29).

4) G7 神戸保健大臣会合. 2016 年9月11-12日. https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kokusai/g7kobe/(, accessed 2019-10-07).

鎌江 伊三夫 その他コラム・メディア掲載/論文・レポート

鎌江 伊三夫 その他コラム・メディア掲載/論文・レポートをもっと見る

マクロ経済 その他コラム・メディア掲載/論文・レポート

コラム・論文一覧へもどる