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2019.04.12

厚生労働省新HTA制度 第7回 続・医薬経済学から見た価値と価格の関係

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.50 No.3 (2019)に掲載

~財政インパクト,不確実性,そしてVBP の国際標準にどう対処するか~

 この「厚生労働省新HTA 制度」シリーズ論文は、厚生労働省中央社会保険医療協議会(中医協)による費用対効果評価(いわゆるHTA(医療技術評価))の解説と論評を行っている。新制度は2016年4月よりの試行的導入を受け、2019年度より本格運用される予定である。

 前回は方法論上の三つの問題点:1)増分費用対効果比(ICER)の割引、2)ICERの加重平均、3)ICERと価格調整係数の恣意的な(あるいは、任意の)関係式、を指摘した。特に、複数のICERが算定された場合に起こる第2番目の問題点、すなわちICERの加重平均に対する有識者の否定的見解について考えた。また、複数のICERが算定された場合の価格調整が、患者割合で加重平均されたICERに基づくのではなく、各ICERから先に算定される複数の価格調整率の加重平均に基づいて行うことに変更されたとしても、「坂道」方式の価格調整式を用いるのでは本質的な問題解決にはならないことを述べた。更に、医薬経済学から見た価値と価格の理論的な関係から、本来あるべき価格調整のあり方の枠組みを提示した。

 その後、2018年12月5日の中医協合同部会では、価格調整のための関係式として「階段」方式を採用するほうが、「坂道」(中医協資料では「スロープ」と表現;以下、坂道をスロープと称す)方式よりも良いのではないかということが示唆された。

 そこで今回は、その「階段」と「スロープ」方式のどちらが良いかの論議も含め、価格調整法のあるべき理論的枠組みについて更に詳しく考える。・・・



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<医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団より許可を得て医薬品医療機器レギュラトリーサイエンスVol.50,No.3,p.135-141 (2019)より転載。同機構への許可なく無断で記事転載を禁じる。>

厚生労働省新HTA 制度 第7回 続・医薬経済学から見た価値と価格の関係PDF:1.8 MB

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