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2013.12.27

消費者物価、過信は禁物

日本経済新聞 「経済教室」2013年12月23日掲載

  • 研究主幹 渡辺 努/
    D. ワインシュタイン教授

 日銀は今年4月、新体制の下で、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標値2%を2年間で実現することにコミット(約束)した。しかし内外の予測機関の見通しをみると、2015年までの上昇率は消費税増税分を除けば1%程度との見方が多い。

 我々は、先進国の多くが2%程度の物価目標を掲げていることを踏まえれば日銀も2%を目指すのが適当と考える。日本だけ物価上昇が低いと円相場が趨勢的に上昇してしまうからだ。しかしCPIで2%上昇が達成できれば出口戦略、達成できなければ追加緩和というように、金融政策をCPIに強くリンクさせるのは危険だと考えている。

 日銀が目指すのはデフレを脱却して物価安定を実現することである。CPI上昇率ゼロではなく2%を目標に掲げる理由の第1は、金利引き下げ余地を残す必要性だ。物価上昇率ゼロでは、利下げによる景気回復が難しくなる。

 理由の第2は、CPIの計測誤差である。物価指数は本来、売れ筋商品のウエートを高く設定するが、各国の物価統計作成機関は何が売れ筋か正確な情報を持っておらず、売れ筋のウエートを過小評価する傾向がある。売れ筋は価格の下がっている商品だからそのウエートが過小だと物価指数は高めに出る。これがCPIの上方バイアスである。・・・



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日本経済新聞 「経済教室」2013年12月23日掲載PDF:72.3 KB

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