コリア・ウォッチャーの視点(4月3日)

 今日から不定期に、筆者が気になった朝鮮半島関連のニュースの中で、日本で報道されていないものを中心にご紹介していきたいと思います。時々筆者の関心事に偏りが出ることをお許しください。

今日筆者が選ぶニュースはこちら↓
2020年4月2日付『韓国日報』「韓国初の軍専用通信衛星7月に発射」

 韓国初の軍事衛星が今年の7月に米国で発射される予定とのニュースです。ここでの筆者の注目ポイントは、韓国軍が初めて単独運用する軍事通信衛星を獲得するということだけでなく、衛星を米国ロッキード・マーチン社から獲得したという点です。
 2014年に韓国政府はF-35Aを導入する際に、米国ロッキード・マーチン社とオフセット取引契約を結びました。その契約内容は韓国政府がF-35Aを購入する見返りに、ロッキード・マーチン側が軍事衛星1基を韓国側に提供するというものでした。しかし、契約締結時よりもコストが増えたことを理由にロッキード・マーチン社が一方的に事業を中断、両国間で問題になっていました。筆者はそこまでの情報まで追いかけていたのですが、どうやらその後両者の間で折り合いがつき、今回の発射計画にまで至った模様です。
 昨年3月の段階では同年11月に発射予定との報道が出ていましたが、今回の報道によれば今年7月になったとのことです。ただし、コロナ・ウイルスの影響により、欧州のエアバス社で組み立てられた衛星が米国に移送される際の検疫過程において、遅延が生じるのではないかとのことです。
 米韓関係は昨年の韓国政府によるGSOMIA終了決定を巡る動きや米国側が求める駐留経費負担の大幅な増額要求によって揺らぎを見せてきました。ついに本年4月1日から在韓米軍基地で働く韓国人労働者の半分が無給休職状態になってしまいました。その一方で、防衛産業の技術面における両国関係は昨年末ごろから「協力強化」への動きを見せています。こうした関係の変化については後日別稿にて紹介したいと思います。

(キヤノングローバル戦略研究所 研究員 伊藤 弘太郎)

トップページ | コリア・ウォッチャーの視点(4月23日) »

トップページ | コリア・ウォッチャーの視点(4月23日) »

アーカイブ