外交・安保カレンダー(6月17-23日)

 先週はワシントンに出張していた。今回の米国出張はやることなすこと、あまりうまく行かなかった。最初の躓きはワシントン到着後のダレス国際空港での入国審査、ESTAを使って入国しようとしたら、何と失効していたのだ。行けといわれた別室には既に世界中の「得体の知れない」人々が不愉快そうに座っていた。犯罪人にでもなった気分だったが、得難い経験だったことだけは間違いない。

 その後も受難は続いた。昼食を約束した親友は直前にアキレス腱を損傷、有力コラムニストとの再会も果たせなかった。だが、今回のワシントン滞在中最大のサプライズは中東湾岸地域で起きたあの事件だった。6月13日、ホルムズ海峡付近のオマーン湾を航行中のノルウェーと日本のタンカーが何者かに攻撃された事件である。

 同事件については今週のJapanTimesに英文のコラム を書いたので、お暇があればご一読願いたい。ちなみに日本語版はない。同時期、安倍晋三首相は日本の首相として41年ぶりでイランを公式訪問中だった。やれ仲介は失敗だっただの、中東の新参者だのと批判する人々もいるようだが、これは外交ではなく、内政上の発言である。

 それにしても、これまで筆者は、米国とイランの間で緊張が高まっても、イランが過剰反応する可能性は低いと考えていたので、正直少し驚いた。トランプ政権の一部はイランを軍事的に挑発しているが、イランはそんな挑発には乗らないと思ったのだ。要するにワシントンに攻撃の口実を与えるような馬鹿なことはしないだろう、と。

 勿論、イランが実行犯である決定的な証拠は今のところない。世界中の中東専門家は、イランが支援する各地の武装勢力の仕業だ、いや、これはイスラエルだ、サウジアラビアだ、などといった陰謀論を垂れ流しているが、どれも眉唾だろう。他方、今の筆者には「イランはやらなかった」と言い切る自信もない。

 もしイランが関与したなら、今の筆者はイラン国内の強硬派と穏健派の綱引きの可能性を考える。尤も米国は昔から一貫して、「イランには穏健派などいない」と判断してきたから、米国はそう分析しないだろうが・・・。イランのイスラム革命防衛隊がイランと米国の対話を潰す効果的方法は幾つかある。今回はその一つかもしれない。

 筆者が今も米イラン間に大規模戦闘が起きないと考える最大の理由は、両国とも相手に甚大な被害を与える軍事力を有しており、両国間に一定の相互抑止が効くだろうと思うから。しかし、筆者のショックはこれだけではない。詳しくは上記の英文をお読み頂きたい。おっと、もう若くはないので、時差でダウンしそうだ。

 今週はこのくらいにしておこう。



5月13-6月28日 ジュネーブ軍縮会議(CD)second part (ジュネーブ)
20-6月17日 第14期第7回ベトナム国会(ハノイ)
21-6月21日 国際民間航空機関(ICAO)council phase 第217回会合
6月10-21日 ILO総会(ジュネーブ)
11-19日 JENESYS2019・中国高校生訪日団が訪日
15-17日 河野外務大臣がモンゴルを訪問
16-18日 国際世界観光機関(UNWTO)執行理事会 第110回会合(バクー)
17日 EU外相理事会(ルクセンブルク)
17日 日本サウジアラビア・ビジネスフォーラム(東京)
17-18日 包括的核実験禁止条約機関準備委員会 第52回会合(ウィーン)
17-19日 世界気象機関(WMO)執行理事会 第71回(ジュネーブ)
17-19日 薗浦内閣総理大臣補佐官のモルディブ訪問
17-21日 日・トルコ経済連携協定交渉 第15回会合の開催(東京)
17-22日 OPCW(化学兵器禁止機関)・アリアス事務局長が訪日
17-23日 パリ国際航空ショー開幕(パリ郊外ルブルジェ)
17-25日 米通商代表部(USTR)対中制裁第4弾で公聴会(ワシントン)
17-29日 チャイコフスキー国際コンクール(モスクワ)
18日 EU一般問題理事会(ルクセンブルク)
18日 EU農水相理事会(ルクセンブルク)
18日 EU5月CPI発表
18日 米大統領、集会で再出馬を正式に表明(フロリダ州オーランド)
18日 ビジネスと人権に関する行動計画に係る諮問委員会 第1回会合の開催(外務省)
18日か19日 ロシア第1四半期経済活動別GDP統計(速報値)発表
18日か19日 ロシア1-5月鉱工業生産指数発表
18-19日 米国FOMC
18-19日 ブラジル中央銀行、Copom
18-20日 UN-Women 執行理事会 年次会合(ニューヨーク)
18-21日 第3回ASEANビジネス諮問委員会〔3rd ASEAN Business Advisory Council(ASEAN-BAC)Meeting〕(バンコク)
18-21日 第12回米国・アフリカビジネス総会(モザンビーク・マプト)
19日 グアテマラ大統領選挙・総選挙
19日 台湾民進党・蔡総統の総統選公認指名を決定
19-20日 IOC理事会(ローザンヌ)
20日 米・1-3月期の経常収支(商務省)
20日 南ア大統領施政方針演説(SONA)
20-21日 欧州理事会(ブリュッセル)
20-23日 第34回ASEANサミット(34th ASEAN Summit)(バンコク)
21日 アリアン5(通信衛星Eutelsat 7CとAT&T T-16)打ち上げ(仏領ギアナ基地)
21日 プロトンM・DM-03(ガンマ線天文衛星Spectr-RG)打ち上げ(バイコヌール宇宙基地)
21日か24日 ロシア1-4月貿易統計発表
22日 ILO理事会及びその委員会 第336回会合(ジュネーブ)
22日 モーリタニア大統領選挙
22-23日 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(バンコク)
22-29日 国連食糧農業機関(FAO)総会 第41回会合 (ローマ)
23日 トルコ・イスタンブール市長選再選挙
23-25日 建築業界フェア(Buildnz)(オークランド)
23-25日 防災展(national safety show)(オークランド)


<24-30日>
24-26日 国連経済社会理事会 人道問題segment(ジュネーブ)
24-28日 第37回エネルギー関連ASEAN高級実務者会議(37th ASEAN SOMs' Meeting on Energy and Related Meetings)(バンコク)
24-7月12日 国連人権理事会 第41回会合(ジュネーブ)
25日 EU一般問題理事会(結束政策)(ルクセンブルク)
25日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(運輸)(エネルギー)
25日 メキシコ4月小売・卸売販売指数発表
25日 ファルコンヘビー(STP-2, COSMIC-2など)打ち上げ(ケネディ宇宙センター)
25日か26日 ロシア5月雇用統計発表
25-26日 第176回OPEC総会(ウィーン)
25-26日 AfDB主催第3回「アフリカ・エネルギー・マーケットプレイス(AEMP)」(コートジボワール・アビジャン)
25-26日 パレスチナへの経済支援に関する国際会合(バーレーン・マナマ)
26日 EU環境相理事会(ルクセンブルク)
26日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(非金融政策)(フランクフルト)
26日 第6回OPECと非加盟産油国の閣僚会合(ウィーン)
26日 メキシコ5月貿易統計、雇用統計発表
26-27日 米・民主党の大統領選候補者討論会(フロリダ州マイアミ)
26-27日 欧州地域委員会(CoR)第135回本会議(ブリュッセル)
26-27日 イノブフェスト・アンバウンド(シンガポール)
26-28日 米州機構首脳会合(コロンビア・メデジン)
26-28日 紙関連製品展示会(Paper Vietnam 2019)(ホーチミン)
26-28日 ゴム・タイヤ関連製品展示会(Rubber & Tyre Vietnam 2019)(ホーチミン)
26-28日 プラスチック関連展示会(Plastech Vietnam 2019)(ホーチミン)
26-28日 農業関連展示会(Agri Vietnam 2019)(ホーチミン)
26-28日 コーティングおよび印刷インキ展示会(Coating Expo Vietnam 2019)(ホーチミン)
27日 WTOサービス貿易理事会(ジュネーブ)
27日 ECB一般理事会(フランクフルト)
27日 米国第1四半期GDP発表(確定値)
27日 アフガニスタン・ガー二大統領がパキスタンを訪問
27-30日 ハラール・インドネシア・エキスポ2019(ジャカルタ)
27-30日 インドネシア国際農業展示会(Indonesia International Modern Agriculture Expo 2019)(ジャカルタ)
28日 ブラジル5月全国家計サンプル調査発表
28日 黒海経済協力機構(BSEC)外相会議(ブルガリア・ソフィア)
28-29日 G20首脳会議(大阪府)
下旬 米・トランプ大統領が韓国を訪問

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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