外交・安保カレンダー(12月17-23日)

今年もあと二週間となった。今バンコク発の全日空便で羽田に向かって飛んでいる。いつもなら月曜日の夜に何とか書き上げるのだが、今週は事情変更。過去一週間、外務省の依頼で中東4カ国を回り講演やインタビューを行った。最近海外講演は米国ばかりだったなと反省し、安易に引き受けたのが間違いだった。

結果的には、7日間で4カ国、経由地を含め7カ国の「地獄のロード」となったが、それをOKしたのは筆者自身だから、まさに自業自得だろう。昨日はアラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビで朝昼晩の三回、講演とプレゼンをこなした。楽しかったが、体力的限界を超えたらしく、執筆が遅れてしまった。

オマーンは筆者の大好きな、湾岸地域の良心を代表する国だ。この古くからの海洋国家は相変らず堅実で開放的。イランは目と鼻の先、ホルムズ海峡に近いアラブ首長国連邦とオマーンだが、オマーンがイランとも関係が良いのに対し、UAEはイランに対する警戒心に満ちていた。

オマーンからは深夜便でイスタンブール経由チュニジアに向かった。イスタンブールといえば、かのサウジ人ジャーナリストを思い出す。某国総領事館にだけは何となく敬遠だ。もっとも、トランプ政権とサウジの二人の「皇太子」は反イランで一致している。あの事件は「トカゲの尻尾切り」で終わりだろう。

しかし、出身国名は言えないのだが、今回会った湾岸アラブのある識者は、ロシアゲートでトランプ氏に何かが起これば、サウジ皇太子の地位も危うくなると本気で心配していた。なるほど、そういう見方もあるのだな、サウジ皇太子の威光も決して絶大ではない、ということかもしれない。

チュニジアではまだ民主化の試行錯誤が続いているようだ。ベンアリ時代の方が良かったという声すら聞いた。民主化しても、経済が良くなるわけでも、素晴らしい政府ができるわけでもない。民主主義とは何十年か過去を振り返った時、致命的なミスだけはなかったと言える政治体制でしかないのだから。

チュニスの次はエジプトだ。あの懐かしい首都カイロは筆者が2年間アラビア語を研修した場所。イラン革命直後からサダト大統領暗殺の直前まで住んだが、あれから40年、エジプトは元の軍政に戻ってしまった。今週の産経新聞コラムではエジプトでの日本式教育について書いたのでご一読賜りたい。

ここまで書いたところで、PCの電池が残り20%になった。この原稿を機内Wi-Fiで送信できるうちに送ってしまわないと。というわけで、今週はこのくらいにしておこう。

11月20日-12月21日 ラオス第8期第6回国民議会
9-18日 対日理解促進交流プログラム・オーストラリアの大学生らが訪日
10-18日 対日理解促進交流プログラム・インド、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、ブータン、ネパール及びモルディブから「農業」をテーマに大学生らが訪日
11-17日 対日理解促進交流プログラム・「科学技術交流」をテーマにシンガポールの大学生らが訪日
11-18日 対日理解促進交流プログラム・「科学技術交流」をテーマにタイの高校生らが訪日
11-18日 対日理解促進交流プログラム・インドネシアのイスラム大学及び二大イスラム社会団体から訪日
13-19日 佐藤外務副大臣がジャマイカ及びキューバを訪問
13-20日 対日理解促進交流プログラム・日系米国人大学生らの一行が訪日
17日 EU11月CPI発表
17日 第3回日・キューバ官民合同会議の開催
17日 モルディブ・ソリ大統領がインドを訪問
17-18日 EU農水相理事会(ブリュッセル)
17-18日 第10回日中高級事務レベル海洋協議の開催(中国浙江省嘉興市烏鎮)
17日か18日 ロシア1-11月鉱工業生産指数発表
17-19日 日・ベトナム刑事共助条約交渉 第1回会合の開催(東京)
17-20日 ザンビア・ルング大統領が訪日
18日 ロシア疑惑めぐる元米大統領補佐官の判決
18日 貿易経済に関する日露政府間委員会第14回会合の開催(東京)
18日 ファルコン9(GPS 3-01)打ち上げ(ケープカナベラル空軍基地)
18-19日 米国FOMC
19日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(エネルギー)(ブリュッセル)
19日 米・7-9月期の経常収支(商務省)
19日 GSLV(政府系通信衛星GSAT-7A)打ち上げ(サティシュ・ダワン宇宙センター)
19日 マダガスカル大統領選挙決選投票
20日 トーゴ国会議員選挙
20日 EU環境相理事会(ブリュッセル)
20日 タイ銀行金融政策委員会
20日 メキシコ10月小売・卸売販売指数発表
20日 プーチン大統領によるプレスコンファレンス
21日 米国第3四半期GDP(確定値)発表
21日 第6回日フィリピン経済協力インフラ合同委員会の開催(比マニラ)
21日 プロトンM(Blagovest-13L)打ち上げ(バイコヌール宇宙基地)
21日か24日 ロシア1-10月貿易統計発表
21-31日 長征11(珠海一号03)打ち上げ(甘粛省酒泉衛星発射センター)
22日 米・11月のPCE物価指数発表
23日 コンゴ民主共和国大統領選挙および国民議会議員選挙

【来週の予定】
24日 メキシコ11月雇用統計発表
24日か25日 ロシア11月雇用統計発表
25日 クリスマスで米市場が全て休場
25日- 長征3C(通信技術試験衛星三号)打ち上げ(四川省西昌衛星発射センター)
27日 ソユーズ2.1a(Kanopus-V N5/N6, Dove等)打ち上げ(ロシア・ボストチヌイ基地)
28日 ブラジル11月全国家計サンプル調査発表
28日 メキシコ11月貿易統計発表
29日 ロシア第3四半期需要項目別GDP統計発表(速報値)
30日 バングラデシュ国会議員選挙
31日 ギニア国会議員選挙
中旬 中央経済工作会議(中国・北京)
中旬 インド、ラジャスターン州議会選挙
中旬 インド、マディア・プラデシュ州議会選挙
中旬 インド、チャッティースガル州議会選挙
下旬 米国がユネスコ(国連教育科学文化機関)を脱退

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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