外交・安保カレンダー(3月30日-4月5日)

今週は欧米がイースター(復活祭)休暇に入る。イースターとは春分の日以降の初満月の次の日曜日のことで、EUでは4月2日から6日までが休みになるという。但し、イースターとは西方教会の言い方で、東方の正教会ではパスハ(過ぎ越し)と呼ばれる。また、両教会では年によって復活祭の時期が異なる場合があり、2015年は西方が4月5日、東方は4月12日となるそうだ。

〇中東・アフリカ
イエメン情勢が気になって仕方がない。サウジアラビアが本気で軍事作戦をやろうとしているからだ。報じられるように地上戦をも辞さないのか。それともカイロを巻き込んで地上戦はエジプト軍に任せ、サウジは空軍による攻撃に集中するのか。

いずれにせよ、サウジはルビコンを渡ってしまった。もう、パレスチナ問題どころではない。イランが支援するフーシー族を力で圧倒する気だ。全てが緩慢にも思えたリヤドがこれほど迅速に動くとは思わなかった。サウジアラビアの危機感は尋常ではない。

〇欧州・ロシア
西欧諸国では4月1日までに仕事が終わる。30日には昨年就任したユンカー欧州委員会委員長が同じく新任のモゲリーニ外交担当委員とともにウクライナを訪問し、同国指導部と会談を行う。こんな時期では力も入らないだろうから、何も起きないはずだ。

1日にはフランクフルトで欧州中央銀行の役員会議が開かれ、その後はイースターに突入する。2日以降、外交面で目立つのはギリシャ与党関係者のブルガリア訪問やロシア外相のスロヴァキア訪問ぐらい。いずれも東方教会系の国だからだろう。

〇アメリカ両大陸
米国の大統領選挙戦が徐々に動き出している。但し、今声を上げているのは元米大企業社長だった女性とか、ティパーティ支持の知事などで、本命というよりは泡沫に近い。経験則上、本命候補が出てくるのはもう少し後だ。更に、彼らの中から候補者が最終的に絞られてくるのは大体本選挙の一年前、すなわち今秋からだろう。

〇東アジア・大洋州
30-31日に米国のルー財務長官が訪中する。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の行方がこれで見えてくるだろう。個人的にはAIIBなど放っておけば良いのに、と思うのだが・・・。金融は専門ではないので、これ以上のコメントは差し控える。

目立たないが、今週30日から4月1日までインドネシア・豪州が共催で海洋安保机上(Desktop)演習がジョグジャカルタで開かれる。同地はインドネシア古都であり、有名な観光地でもある。この演習には両国のほかに16カ国が参加するそうだ。

〇インド亜大陸
今週は30-31日にインド国防相が訪日する。インド地元紙は同国防相が初外遊先として日本を選んだことには戦略的意味合いがあると分析していた。そういえば、インドが日本の潜水艦に関心を持っているとの報道もあった。真偽は不明だが、中国を刺激することだけは間違いないだろう。今週はこのくらいにしておこう。


3月30日 第2回日ベラルーシ原発事故後協力合同委員会(東京)
30日 参院予算委と本会議で暫定予算案採決、衆院予算委と本会議で暫定予算案採決
30-31日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
30-31日 インド国防相、来日
31日 ユーロスタット、2月失業率発表
31日 東京都渋谷区議会が同性カップル条例案を本会議で議決
31日 国連環境計画(UNEP)第130回常任代表委員会(ナイロビ)
31日 欧州連合(EU)大統領と外相がチュニジア訪問
4月1日 ブラジル2月鉱工業生産指数発表
1日 法人税実効税率引き下げ・軽自動車税引き上げ
1日 パレスチナがイスラエルを「戦争犯罪」で国際刑事裁判所(ICC)に提訴
1日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
1日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
1日か2日 ロシア2014年経済活動別・需要項目別GDP統計発表(改定値)
1-3日 モンゴル外相、中国訪問
1-4日 マレーシア国際ハラール展示会(MIHAS)2015(クアラルンプール)
1-12日 ニューヨーク国際自動車ショー
2日 米国2月貿易統計発表
2日 スーダン大統領・国民議会選挙
2日 衆院憲法審査会
3日 米国3月雇用統計発表
3日 CIS外相会議(キルギス・オシュ)
3-12日 韓国2015ソウルモーターショー(韓国・高陽)
3-12日 国際農業・動物資源展(SARA)(アビジャン)
4日 日銀、異次元緩和から2年
4日 ムバラク元エジプト大統領のやり直し裁判開始
4-6日 中国清明節休暇


【来週の予定】
6日か7日 ロシア3月CPI発表
6-10日 米原子力規制委員長が訪日
6-24日 国連軍縮委員会定例会議(ニューヨーク)
7-9日 経団連インドネシア訪問団
8日 ブラジル3月IPCA発表
8日 米連邦公開市場委(FOMC)議事要旨(米連邦準備制度理事会=FRB、3月17、18日のFOMCの議事要旨)
8-9日 天皇、皇后両陛下がパラオ公式訪問
9-10日 中国国家主席、パキスタン訪問
9-16日 インド首相、仏、独、カナダ歴訪
10日 中国3月CPI発表
10-11日 米州首脳会議(パナマ)
11日 マルタ国民投票
11日 ナイジェリア上下院選
12日 統一地方選・北海道、神奈川県、福井県、三重県、奈良県、島根県、徳島県、福岡県、大分県各10知事選投開票

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

« 外交・安保カレンダー(3月23-29日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(4月6-12日) »

« 外交・安保カレンダー(3月23-29日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(4月6-12日) »

アーカイブ