外交・安保カレンダー(11月3-9日)

今週の焦点は何といっても米国の中間選挙だろう。中間選挙についてはこれまでに夥しい数の事前予測があるが、最近Wall Street Journal(WSJ)がNBCと共同で行った世論調査の結果がなかなか面白い。

WSJ「米中間選挙、WSJ/NBC調査から見る5つのポイント」によれば、①共和党の支配する議会を望む有権者が優勢(といっても僅か1%の差)であり、②それでも(エボラやイスラム国よりも)経済が大事であり、③民主党は女性からの支持率が高く、④3分の2がオバマ政権の政策変更を望み、⑤民主党支持者が関心を高めており、共和党との差を縮めている、のだそうだ。保守的なWSJの記事だけに、民主党の予測が興味深かった。

いずれにせよ、仮に共和党が上下両院で多数を占めても、上院の安定過半数である60議席には及ばないのだから、劇的な変化は期待できない。むしろ、共和党は党内意見統一が出来るか否かにつき、従来以上に責任を問われることになるだろう。

これまで野党だった共和党は「ネオコン」的な理想主義的国際介入主義と「ティーパーティ」的な理想主義的孤立主義の間の意見調整を事実上放置することができた。しかし、中間選挙後はそうはいかなくなるかもしれない。

特に、上院ではTed Cruz、Rand Paul、Marco Rubioといった2016年大統領選候補者となる可能性の高い議員の動向が注目される。ここで共和党が一皮剥けるのか、それとも相変わらずの内部分裂を繰り返すのかは、2016年を占う意味で興味深い。

もう一つ、筆者が注目するのは6日に発表される予定の「世界の原油の需給見通しに関するOPECの年次報告」の中味だ。この数カ月の原油価格2割下落の理由は何か。単なる市場の需給関係の結果なのか、それともサウジの意図的な原油価格引き下げなのか。

いつも言うことだが、原油価格とは「平時は市場により、有事には政治的に」決まるものだ。今が有事とは思えないので、一応バーレル当たり80ドルという価格は市場が決めているのだろう。しかし、この価格レベルは絶妙だ。ロシアは困るがサウジや米国は困らない。これが60ドルまで下がれば「人工的」なものを感じるのだろうか・・・。今週はこのくらいにしておこう。来週は遂に北京でAPEC首脳会議が始まる。


11月3日 自動車貿易に関する米国との並行交渉の事務レベル協議(ワシントンDC)
3-5日 内陸開発途上国に関する第二回国連会議(ウィーン)
3-6日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
3-7日 石油開発会議・展示会「アフリカオイルウイーク2014」(南ア・ケープタウン)
3-8日 第50回国際熱帯木材理事会(横浜)
3-9日 ミクロネシア連邦大統領が来日
3-28日 拷問禁止委員会第53回会期(ジュネーヴ)
4日 米サモア下院議会選、上院議会選
4日 米国上院議会選、下院議会選(中間選挙)・州知事選挙(ニューヨーク州、カリフォルニア州、イリノイ州、ジョージア州ほか)・グアム議会選
4日 米国9月貿易統計発表
4日 ブラジル9月鉱工業生産指数発表
4日 欧州委員会 経済見通し
4日 参院予算委集中審議
4-5日 ブルンジ大統領、南アフリカ訪問
4-12日 米国務長官、フランス、中国、オマーン歴訪
5日 欧州評議会、常駐副代表委員会(Coreper I)、常駐代表委員会(Coreper II)(ブリュッセル)
5日 環太平洋連携協定(TPP)交渉日米実務者協議
5-7日 香港オプティカル・フェア2014
5-7日 デンマーク貿易相、ジンバブエ訪問
5-10日 カナダ首相、中国訪問
5日か6日 ロシア10月CPI発表
6日 10月6・7日の金融政策決定会合議事要旨発表
6日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
6日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)(ブリュッセル)
6日 秋の園遊会(東京・赤坂御苑)
6日 第17回日本・スペイン・シンポジウム(スペイン・サンタンデール)
6日 OPEC世界の石油見通しに関する年次報告
6-7日 キルギス大統領、カザフスタン訪問
6-8日 香港インターナショナルワイン&スピリッツフェア
7日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
7日 欧州評議会、常駐副代表委員会(Coreper I)(ブリュッセル)
7日 政府主催の全国知事会議(官邸)
7日 米国10月雇用統計発表
7日 ブラジル10月IPCA発表
7日 インド大統領、ブータン訪問
7日 ギリシャ首相、キプロス訪問
7-8日 アジア太平洋経済協力会議(APEC)閣僚会議(北京)
8日 中国10月貿易統計発表
9日 カタルーニャ地方住民投票
9日 東京都新宿区長選投開票


【来週の予定】
10日 中国10月CPI発表
10-11日 APEC首脳会議(中国・北京)
10-11日 EU農水相理事会(ブリュッセル)
10-11日 過度に傷害を与え、又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる特定の通常兵器の使用を禁止または制限する条約(特定通常兵器使用禁止制限条約)第5議定書締約国会議(ジュネーヴ)
10-17日 大西洋まぐろ類保存国際委(ICCAT)年次総会(イタリア・ジェノバ)
10-28日 経済的、社会的及び文化的権利委員会第53回会期(ジュネーヴ)
12日 特定通常兵器使用禁止制限条約改正第2議定書締約国第16回年次会議(ジュネーヴ)
12日 米中首脳会談(北京)
12-13日 東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議(ネピドー)
12-13日 欧州議会本会議(ストラスブール)
12-14日 VIETWATER2014(ホーチミン)
12-15日 Food Week Korea 2014(ソウル)
13日 中国10月固定資産投資、社会消費品小売総額発表
13日 10月米財政収支
13-14日 日米財界人会議(東京)
13-14日 特定通常兵器使用禁止制限条約年次締約国会議(ジュネーヴ)
13-15日 G20財務相会議(オーストラリア・ブリスベーン)
13日か14日 ロシア第3四半期GDP暫定値発表
14日 ブラジル9月月間小売り調査発表
14日 インド9月鉱工業生産指数発表
14日 米国10月小売売上高統計発表
14日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
14日 EU統計局(ユーロスタット)、10月消費者物価指数(CPI)発表
14-27日 第34回インド国際見本市(ニューデリー)
15-16日 G20首脳会合(オーストラリア・ブリスベーン)
16日 ルーマニア大統領選
16日 コモロ大統領選
16日 レバノン議会選

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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