外交・安保カレンダー(7月7-13日)

今週はCNNのアジア向けニュースで久し振りに日本が大きく取り上げられたが、その理由は巨大で強力なタイフーン「Neoguri」、日本では台風8号と呼ぶ気象現象だった。注目が政治で経済でもなく、台風だということを喜ぶべきか、悲しむべきかは、意見の分かれるところだろう。少なくとも日本が平和であることだけは間違いない。

その点で今週最も気になるのは西岸・ガザの状況だ。日本ではあまり大きく報じられないが、今イスラエル・パレスチナ間で再び緊張が高まっている。6月に3人の十代イスラエル人少年が誘拐・殺害された。この事件に対する報復として、今度はパレスチナ人の若者が殺害され、イスラエル人の容疑者が複数逮捕されたからだ。

既にイスラエル軍とハマス間の戦闘は増々激化している。事実関係を確認できないので推測するしかないが、欧米での報道を見る限り、誘拐・殺害されたイスラエル人の若者は3人とも正統派もしくは超正統派の保守的なユダヤ教徒、恐らく入植者たちの子供だろう。おこるべくして起きた事件、と呼ぶのは言い過ぎだろうか。

過去10年ほどの間にイスラエル・パレスチナ地域で起きた最も大きな変化は西岸で増殖する「ウルトラ・オーソドックス」の入植活動だ。勿論彼らの入植は昔からだが、大家族主義の彼らの活動は最近特に目立つ。パレスチナ人の報復を正当化する気は毛頭ないが、全ての結果には必ず原因がある。ガザでは当面戦闘が続くだろう。

中東といえばイラクもシリアも泥沼が続き状況改善の兆しはないが、そんな中、安倍首相は豪州などオセアニア三国を訪問している。アボット豪首相は日本に対する理解も深く、良い結果が期待できるだろう。東アジア情勢が今のままであれば、近い将来「日豪安全保障条約」といったアイディアも決して絵空事ではなくなるかもしれない。日本の安全保障が日米安保だけという時代はもう終わっていると見るべきである。今週はこのくらいにしておこう。
 
7月7日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
7日 ユーロ圏財務相会合(ブリュッセル)
7-8日 独首相、中国訪問
7-8日 英外相及び財務相、インド訪問
7-8日 ロシア外相、ブルガリア・スロベニア訪問
7-9日 カナダ市民権・移民大臣、インド訪問
7-10日 香港ファッションウイーク2014春/夏
7-10日 安倍首相、豪州訪問
7-10日 伊外相、ロシア訪問
7-11日 日EU経済連携協定(EPA)交渉第6回会合(東京)
7-18日 国連国際商取引法委員会第47回会期(ニューヨーク)
7-25日 国連自由権規約委員会第111回会期(ジュネーヴ)
8日 欧州連合経済・財務省理事会(ブリュッセル)
8日 5月の国際収支発表
8-10日 セネガル共和国外務・在外セネガル人大臣、訪日
8-11日 総合工作機械見本市「MTAベトナム2014」(ホーチミン)
9日 インドネシア大統領選
9日 クック諸島議会選
9日 中国6月CPI発表
9-12日 国連総会議長、訪日
10日 中国第2四半期貿易統計発表
10日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
11日 EU、ロシア、ウクライナの閣僚級協議
11日 日米防衛相会談
11-16日 ロシア大統領、南米諸国歴訪
13日 スロベニア議会選
13日 滋賀県知事選
 

【来週の予定】
14日 欧州連合農水相理事会(ブリュッセル)
14-17日 欧州議会本会議(ストラスブール)
14-17日 欧州議会委員会会議(ストラスブール)
14-18日 環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)第6回交渉会合(ブリュッセル)
15日 米国6月小売売上高統計発表
15日 第6回BRICS首脳会議(ブラジル、フォルタレザ)
15-16日 ブラジル中銀、金融政策審議会(Copom)
15日か16日 ロシア上半期鉱工業生産指数発表
16日 中国第2四半期経済指標(GDP、CPI、固定資産投資、社会小売品販売総額など)発表
16日 欧州理事会(ブリュッセル)
16日 新潟県中越沖地震から7年
17日 シリア大統領就任式
17日 欧州連合経済・財務相理事会(ブリュッセル)
17日 EU統計局(ユーロスタット)、6月消費者物価指数(CPI)発表
17日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
17日 仏大統領、コートジボワール訪問
17日 芥川賞・直木賞受賞作発表
19日 G20貿易相会合(シドニー)
20日 タイ下院選

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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