外交・安保カレンダー(12月2-8日)

今週はトルコのアンカラでこの原稿を書いている。昨日はトビリシにいた。トビリシと聞いてピンと来る方々は相当の国際派だろう。恥ずかしながら、筆者がジョージアを訪れたのは初めて。ジョージアといっても米国南部ではなく、旧ソ連のグルジアだ。新しい国を訪問する際はいつもワクワクする。できるだけ先入観を持たず、その国の地理と歴史から入るのが筆者のやり方だ。
日本外務省の正式呼称はグルジアだが、最近グルジア人はこのロシア語発音を避け、英語読みのジョージアを好むらしい。何でそうなのか。地図を見れば一目瞭然、ジョージアには「お気の毒」としか言いようがない。北にロシア、南にはトルコとペルシャという隣国を持つ。朝鮮半島やポーランド以外、これ以上地政学的に不幸な場所はちょっと思い付かない。
これら覇権国家群と陸上国境で接する小国の悲哀は実際に来てみないと分からない。四方を海という自然の要塞に囲まれ、歴史的に外敵の侵入を殆ど経験しなかった日本人に理解することは難しいと直感した。やはり日本は平和国家だ。
今週は米国のバイデン副大統領が東アジアを歴訪する。11月23日に中国国防部が「東海防空識別区」設置を発表した直後だけに、日本にとっては良いタイミングとなった。逆に、中国はなぜバイデンが来る直前にあんな発表をわざわざしたのだろうか。
今週筆者が最も気になるのはウクライナとタイでの政治的騒乱だ。タイでは反政府派が「タクシン元首相体制からの脱却」を主張し、タクシンの実妹が率いる現政権を傀儡と批判する。しかし、最大の問題は政府・反政府側とも決定打を欠いていることではないか。
一方、キエフではEUとの連合協定調印見送りを決めたヤヌコビッチ大統領の退陣を求める大規模デモが12月1日から続いている。ロシアとの関係改善と西側寄り政策の間で揺れ動くヤヌコビッチ政権にとっては最大の試練となる。
タイにせよ、ウクライナにせよ、こうした騒動が続くことは両国の政治だけでなく、経済にも多大な影響を及ぼす。このような事態はタイ、ウクライナに止まらず、民主的政治制度と経済発展の両立を図る他の中進国にとっても共通の課題ではなかろうか。
今週も重要なイベントが目白押しだが、これ以上コメントするスペースがない。今週はこのくらいにしておこう。

 
12月1-5日 アイルランド首相、来日
1-5日 イエメン共和国外務大臣、来日
2日 EU競争担当相理事会(ブリュッセル)
2日 欧州議会委員会(ブリュッセル)
2日 ロシア大統領、アルメニア訪問
2日 欧州委員会、ITS会議2013(ブリュッセル)
2日 欧州委員会、EUROSUR発効(ブリュッセル)
2日 欧州議会、ヨーロッパ-デンマーク イノベーションラウンドテーブル
2日 安倍首相、アイルランド首相会談
2日 ノルウェイ首相、NATO本部訪問
2日 ポーランド大統領、ウクライナ訪問
2-3日 国際通貨基金(IMF)専務理事、カンボジア訪問
2-3日 欧州理事会競争理事会(ブリュッセル)
2-3日 パレスチナ開発のための東アジア協力促進会議(CEAPAD)「民間セクター促進会合」(三田共用会議所)
2-3日 欧州議会議長、ハーグ訪問
2-4日 バイデン米副大統領、来日 
2-4日 英首相、中国訪問
2-4日 UNCTAD、第66期戦略的枠組みや計画予算に関する作業部会(ジュネーヴ)
2-6日 国連経済的、社会的及び文化的権利委員愛、第52期会合前ワーキンググループ(ジュネーヴ)
2-6日 第18期化学兵器の禁止条約締約国会議(ハーグ)
2-6日 FAO148期理事会(ローマ)
2-6日 持続可能な開発の資金調達に関する第2回専門家政府間委員会(ニューヨーク)
2-6日 UNCITRAL、第24期作業部会VI(ウィーン)
2-6日 UNIDO第15期通常会議(リマ)
2-6日 中西部太平洋まぐろ類委(WCPFC)年次会合(ケアンズ)
2-7日 ユネスコ無形文化遺産保護条約の第8回政府間委員会(アゼルバイジャン)
3日 EU外相理事会(貿易)(バリ島)
3日 米国・コロンビア首脳会談(ワシントン)
3日 ブラジル第3四半期GDP発表
3日 トルコ11月消費者物価指数(CPI)発表
3日 欧州委員会、欧州の構造や投資資金の使用に関連した不正防止や腐敗防止対策に関する会議(ブリュッセル)
3日 バイデン米副大統領が安倍首相と会談
3-4日 国連人権委員会、ビジネスと人権フォーラム(ジュネーヴ)
3-4日 カザフスタン大統領、南ア訪問
3-5日 ECTA規制会議2013(ブリュッセル)
3-6日 第9回WTO閣僚会議(バリ)
3-6日 ウクライナ大統領、中国訪問
4日 ユーロスタット、第3四半期実質GDP成長率発表
4日 ブラジル10月鉱工業生産指数発表
4日 米国10月貿易統計発表
4日 インド・デリー準州議会選挙、ミゾラム州議会選挙
4日 欧州評議会、常駐代表委員会(Coreper I)(ブリュッセル)
4日 欧州委員会、訓練生の為の品質体制を提案(ブリュッセル)
4日 欧州委員会、地中海の力会議(ブリュッセル)
4日 OPEC定例総会(ウィーン)
4日 党首討論
4日 日本版NSC(国家安全保障会議)が発足
4-5日 年次ポリス会議(ブリュッセル)
4-6日 第4回国際コロキウム科学とガリレオ計画における基本姿勢(チェコ)
4-6日 ミャンマー大統領、フィリピン訪問
5日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(フランクフルト)
5日 欧州理事会委員会(ブリュッセル)
5日 欧州委員会、エネルギーのための情報の日2020年(ブリュッセル)
5日 欧州委員会、原材料に関する欧州イノベーション•パートナーシップ年次会議2013(ブリュッセル)
5日 第111期IMO評議会(ロンドン)
5日 シリア国際会議の準備会合(ジュネーブ)
5-6日 欧州安全保障協力機構(OSCE)外相理事会(ウクライナ・キエフ)
5-6日 EU司法・内務相理事会(ブリュッセル)
5-6日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(運輸)(ブリュッセル)
5日か6日 ロシア11月CPI発表
5-7日 世界中小企業エキスポ2013(香港)
5-8日 ゴルフ 日本シリーズJTカップ
6日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(通信)(ブリュッセル)
6日 米国11月雇用統計発表
6日 ブラジル11月拡大消費者物価指数(IPCA)発表
6日 臨時国会会期末
6-7日 国際通貨基金(IMF)専務理事、ミャンマー訪問
6-7日 欧州エネルギー委員、ギリシャ訪問
7日 モーリタニア議会選(第二回)
7日 福島市長任期満了
7-8日 オランダ首相、イスラエルとパレスチナ訪問
7-9日 環太平洋パートナーシップ(TPP)閣僚会合(シンガポール)
8日 国連の査察官、イランの招待に基づきアラク原子炉を訪問
8日 中国11月貿易統計発表
8日 インド・州議会選挙開票
 

【来週の予定】
9日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)(ブリュッセル)
9日 中国11月CPI発表
9日 トルコ10月鉱工業生産指数発表
9日 皇太子妃雅子さま50歳の誕生日
9日 メキシコ11月CPI発表
9-10日 EU雇用・社会政策・健康・消費者問題担当相理事会(ブリュッセル)
9-10日 EU教育・若年・文化担当相理事会(文化・スポーツ)(ブリュッセル)
9-11日 汎欧州知的財産サミット2013(パリ)
9-12日 欧州議会本会議、委員会会議(ストラスブール)
9-13日 EUタイ自由貿易協定(FTA)会合(ブリュッセル)
9-13日 持続可能な開発目標に関する第6回オープン作業部会(ニューヨーク)
9-13日 UNCITRAL、第48期作業部会IV(ウィーン)
10日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
10日 中国11月経済指標(固定資産投資、社会消費品小売総額など)発表
10日 国連難民高等弁務官の計画に対する任意拠出に関する総会アドホック委員会(ジュネーヴ)
10日 UNEP125期常任委員会(ナイロビ)
11日 国連人間居住計画、第51回常任委員会(ナイロビ)
11-12日 スロバキア大統領ウクライナ訪問
12日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(エネルギー)(ブリュッセル)
12日 EU外相理事会(開発)(ブリュッセル)
12日 ロシア大統領による年次教書演説
12日 黒海経済協力機構(BSEC)外相会合(アルメニア・エレバン)
12日 インド10月工業生産指数発表
12日 米国11月小売売上高統計発表
12日 ブラジル10月月間小売り調査発表
12-14日 環境展示会「エコプロダクツ2013」(東京ビッグサイト)
13日 CIS経済理事会(モスクワ)
13-15日 日・ASEAN特別首脳会議(東京)
14-15日 ハラール産業に関する国際会議(パキスタン)
15日 チリ大統領選
15日 マリ国民議会選(第2回投票)
15日 トルクメニスタン議会選
15-18日 日印グローバル・パートナーシップ・サミット(ニューデリー)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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