外交・安保カレンダー(12月17-23日)

総選挙の結果は予想以上の自民党大勝だった。当選議員の笑顔とは対照的に、次期総理の顔は常に険しかった。自民党執行部幹部からも「今度は失敗したくない」との思いが伝わってくる。民主党が勝利した3年前との最大の違いはこれだろう。
先週ワシントンに出張した。歴史問題等に関する次期総理の発言に懸念を示す向きもいた。頼まれた訳でもないのに、「選挙モード」と「統治モード」は違う、自分の経験でも新総理の統治スタイルは現実主義的でプラグマティックだと柄にもなく反論した。
今のところ次期総理の発言はかなり慎重だ。彼の「統治モード」は17日から始まったのだろう。少なくとも民主党時代の眩暈がするような「ハラハラ、ドキドキ」は感じない。「夢物語」を語るよりも、「有言実行」が重要。これなしに米国と関係改善はない。
ワシントンといえば、年末までに「財政の崖」問題が解決する可能性はちっとも見えてこない。恐らく、問題は越年し、1月早々から米国内政は大荒れとなるだろう。米国も日本のことは言えない。このマヒ状態は一体何時まで続くのだろうか。
中国との関係改善にも時間がかかる。11月の党大会と来年3月の全人代(全国人民大会)は一つのパッケージであり、全人代が終わらないと習近平体制は本格始動できない。相手が準備不足なのだから、日本から対中関係改善を急ぐ必要はない。
 同じく中国では15-16日に毎年恒例の中央工作会議が開かれた。「経済成長の質を重視し、内需主導型経済への構造改革を進める方針を打ち出し、農村の都市化を改革の柱に据え、農村の都市化をテコに内需拡大を図る」のだそうだ。
政策目標も「安定的かつ比較的早い発展の維持」から、「持続的かつ健全な発展の実現」に変わった。言葉の遊びは結構だが、これでまたミニバブルが生じないか、他人事ながら心配になる。
今週の注目は韓国大統領選挙だ。パクネ女史が当選すれば、少なくとも当面日韓関係の仕切り直しが可能となるかもしれないが、油断は禁物だ。この選挙を通じて韓国社会が更に成熟することを祈りたい。
注目のエジプトでは新憲法草案の第一回国民投票が終わった。今のところ「賛成」が過半数だというが、ムルスィー大統領やムスリム同胞団の今回の強引さは決して褒められたものではない。
22日の第二回目の投票が平穏に行われれば良いのだが。「自衛のためにムスリム同胞団若手メンバーに銃を配布することを真剣に検討している」との報道もあり、ちょっと嫌な気分だ。「同胞団の若手に銃」とは、「何とかに刃物」である。


12月17日 金正日氏一周忌
17日 アラブの春の発端となったチュニジア男性の焼身自殺から2年
 あれからもう二年がたった。2010年の騒動は一体何だったのか。発端となったチュニジアでも、またエジプトでも、その答えはまだ出ていない。


17日 欧州環境相理事会(ブリュッセル)
17日 米大統領選、選挙人による投票
17日 バミューダ諸島議会選
17日 日・コロンビア経済連携協定(EPA)交渉第1回会合(東京)
17日 南ア休場(和解の日の振替休日)
17日 欧州統計局、10月貿易統計発表
17日 ドラギECB総裁、欧州議会で発言予定
17日 米12月NY連銀製造業景気指数発表
17or18日 ロシア1-11月鉱工業生産指数発表
17-18日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
17-19日 欧州理事会、環境相理事会(ブリュッセル)
18日 国際移民デー
18日 欧州委員会、「ヨーロッパのデジタル計画2013-14」採用
18日 米第3四半期経常収支発表
18日 インド中銀政策金利発表
18or19日 ロシア1-10月貿易統計発表
18-19日 第23回米中合同商業貿易委(JCCT)(ワシントン)
18-20日 欧州農水相理事会(ブリュッセル)
18,20日 WTO加盟国通商政策レビュー:米国(ジュネーブ)
19日 韓国第18代大統領選
19日 韓国市場休場
19日 国連南南協力デー
19日 欧州委員会、起業家のための行動計画発表
19日 欧州委員会、たばこ製品に関する指令の改正案を採用
19日 財務省、11月通関ベース貿易収支発表
19日 内閣府、10月の景気動向指数改定値発表
19日 ユーロ圏10月経常収支発表
19-20日 日銀金融政策決定会合
19-20日 欧州中央銀行(ECB)理事会(フランクフルト)
19-21日 日・ウルグアイ投資協定交渉に関する第1回会合(テレビ会議)
20日 欧州システミックリスク理事会(ESRB)会合(フランクフルト)
20日 ロシア大統領、記者会見
20日 日銀政策金利、白川日銀総裁の記者会見
20日 東北電力東通原発(青森県)の断層調査で原子力規制委員会が評価会合
20日 米第3四半期GDP、11月景気先行指数、12月フィラデルフィア連銀景況指数発表
20-21日 欧州理事会、運輸・電気通信・エネルギ担当相理事会(ブリュッセル)
20-21日 ASEAN・インドサミット(ニューデリー)
20or21日 ロシア11月雇用統計発表
21日 日銀12月月報
21-23日 京都議定書規定の2008年から5年間の温室効果ガス年平均排出量削減目標期限
22日 鹿児島市長選
22日 エジプト新憲法案の是非を問う国民投票(2回目)
23日 天皇陛下79歳の誕生日、皇居で一般参賀
23日 競馬 有馬記念
23日 陸上全国高校駅伝(京都市)


【来週の予定】
24日 東京休場(天皇誕生日の振替休日)、香港、NY休場(クリスマスイブ)
24日 プーチン大統領、インド訪問
25日 ウェリントン、シドニー、香港、ロンドン、フランクフルト、パリ、チューリッヒ、南ア、トロント、NY休場(クリスマスデー)
25日 木寺新中国大使、着任
26日 ウェリントン、シドニー、香港、ロンドン、フランクフルト、パリ、チューリッヒ、トロント休場(ボクシングデー)南ア休場(善意の日)
26日 日銀議事録(11月19、20日分)
26日 特別国会召集
27日 パキスタンのベナジル・ブット元首相暗殺事件から5年
28日 東京証券取引所などで大納会
28日 総務省、11月失業率、全国消費者物価指数発表
28日 厚生労働省、11月有効求人倍率発表
28日 財務省、外国為替平衡操作の実施状況発表
28日 米12月シカゴ購買部協会景気指数
29日 日・リヒテンシュタイン租税情報交換協定の発効
31日 東京休場(大晦日)、香港休場(ニューイヤーイブ)
31日 京都議定書第1約束期間終了(先進国による温室効果ガス削減)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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