外交・安保カレンダー(8月6-12日)

 さすが北半球は今や夏の盛り、どの国も休暇中なのだろうか。突発事件などのニュースは入ってくるが、今週はロンドン・オリンピックの競技以外にめぼしい重要政治・経済日程がない。まあ、たまにはこういう週があっても良いだろう。
 ところが、驚くことに日本の政界だけはこの暑い中一生懸命仕事をしている、みたいだ。10日か8日かは知らないが、消費税増税を柱とする例の「一体改革」法案の参議院採決を考えているらしい。あれあれ、採決はお盆明け以降じゃなかったのか。
 今週は恐らく誰も興味や関心がないだろうと思うので、去る7月7日行われた議会選挙後のリビアを取り上げたい。8月6-8日には新議会が選んだ首相の下で新政権が(それまでの暫定国民評議会に代わり)リビアを統治することになっている。
 リビアの議会選挙に注目する理由は、チュニジアやエジプトの場合と異なり、ここでは「ムスリム同胞団」系ではなく、「リベラル政党」が躍進した、そうだからだ。欧州諸国は一様にこれを歓迎しており、リビア軍事介入は正しかったとの声すらある。
 そうは言っても、新議会の200議席のうち政党に割り当てられるのは80議席のみで、残りの120議席は無所属の個人議員だ。更に、同議会は当初考えられていた憲法草案作成権限を失ったので、その政治的意義も一層暫定的なものになっている。
 誰が考えたかは知らないが、実に賢い連中だ。政党への割り当てが80議席しかなければ、仮に「ムスリム同胞団」が勝利しても、急激なイスラム化は回避できる。一方、120人の無所属個人議員にどの程度「イスラム主義者」が混じっているかも不明だ。
 ということは、「リビアではチュニジアやエジプトと違いリベラル系が勝利した」などと結論付けるのは時期尚早だということ。どうも胡散臭い。もう少し事実関係を確認してからでなければ、確定的なことは言えない。その典型例が今のリビアである。
 

8月6日 広島原爆忌
6日 第7回日中省エネルギー・環境総合フォーラム
6-8日 リビア暫定国民評議会が統治権を選挙で選ばれた新政府に移行
6-18日 IDCロボットコンテスト大学国際交流大会
7日 米6月消費者信用残高、3年国債入札
7日 ギリシャ、6カ月物短期債6.25億ユーロ入札
8日 両院議員総会
8日 IAEAの女川原発調査終了
8日 アルメニア大統領、ロシア訪問
8日 日本6月国際収支発表
8日 米10年国債入札
8-9日 日銀金融政策決定会合
8-22日 野球全国高校選手権(甲子園球場)
9日 長崎原爆忌
9日 OPEC、月間石油市場報告発表
9日 日銀政策金利発表
9日 米6月貿易収支発表
9日 中国7月CPI、固定資産投資、社会消費品小売総額など発表
9-12日 ゴルフ全米プロ
10日 社会保障・税一体改革関連法案、採決?
10日 米7月輸出入物価、7月財政収支発表
10日 中国7月貿易統計発表
12日 ロンドン五輪閉幕
12日 日航機墜落事故から27年
12日 「ペルセウス座流星群」の観測ピーク


【来週の予定】
14日 日銀議事録(7月11、12日分)
15日 全国戦没者追悼式
15-19日 山根隆治外務副大臣、ドミニカ共和国、エクアドル、訪問
16日 インドネシア大統領施政方針演説、13年予算案発表
19-21日 断食明け大祭(Eid Al Fitr)(中東諸国)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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