外交・安保カレンダー(7月30日-8月5日)

 最近テレビのニュースを見る度に違和感を禁じ得ない。シリアのアレッポで激戦があろうが、共和党のロムニー候補がエルサレムをイスラエルの「首都」と呼ぼうが、何故かトップニュースはロンドン・オリンピックでの日本人選手のメダル獲得だ。
 日本人選手がメダルを取って嬉しくない筈はない。だが、それはスポーツ・コーナーで取り上げる話だろう。先週は日本のマスコミにも未来はあると書いたが、今週は前言を翻す。オリンピック以外にも今世界では報道に値する重要な事象が山ほどある。
 例えば、ユーラシア大陸。日本では殆ど注目されていないが、筆者は今中央アジアが気になって仕方がない。最近ロシアのメディアはタジキスタンで反政府抵抗勢力がアムダリア川にあるセレスカヤ・ダムの爆破を狙っているとの情報を伝えた。
 7月24日には同国東部のゴルノ・バダフシャン自治区で国家安全保障委員会の現地責任者殺害容疑で治安部隊が大規模な軍事作戦を始めている。先月6月15日にはタジキスタンの大統領の義兄が暗殺されたとも報じられた。
 タジクたけではない。昨年爆弾テロで荒れたカザフスタンでも、5月30日、6月25日、7月12日に国境警備隊に対する攻撃が発生している。7月23日にはカザフ政府高官が国内で労働者による争議や紛争が拡大していることを認めている。
 こうした傾向は一見静かに見えるウズベキスタンや2010年に革命が起きたキルギスタンでも見られているといわれ、今や中央アジアで安定しているのはトルクメニスタンぐらいのものだ。
 筆者が特に気になるのは、米軍のアフガン撤退がこれら中央アジア諸国の内政に与える影響だ。米軍とISAFの撤退はイスラム過激派の再浸透を生むだろうが、今回はそれがアフガンだけでなく、中央アジア全体に波及する恐れがあるからだ。
 万一、カザフの一部がイスラム過激派の聖域となれば、その隣は新疆ウイグル自治区と呼ばれる「東トルキスタン」だ。中国がカザフ、キルギス、タジクという中央アジアの3つの「スタン国家」と国境を接していることを忘れてはならない。


7月30日 国家戦略会議(首相官邸)
30日「北太平洋における公海の漁業資源の保存及び管理に関する条約」署名
30-31日 米共和党大統領選候補ロムニー氏、ポーランド訪問
30-8月8日 キズナ強化プロジェクト、韓国青少年一行、来日
 今回来るのは在韓国日本大使館・総領事館が選抜した高校生が中心。日頃から日本に関心を持ち,日本語等を学習しているそうだ。日本滞在中は茨城県を訪問し,老人ホーム慰問等のボランティアをしたり被災現場等を視察する予定。目立たないがこのような地道な活動が日韓関係の改善に繋がることを期待しよう。


30-8月17日 国後島及び択捉島の患者2名を受け入れ
 こうした患者の受け入れはもう13年目だそうで、これまでに146名の患者を受け入れているのだそうだ。どうもこちらの方はまだ具体的な成果に繋がっていないようだ。


30-9月14日 第三軍縮会議(ウィーン)
31日 東電に政府から公的資金1兆円の資本注入
31日 日銀、2002年1-6月の金融政策決定会合議事録、発表
31日 外交文書公開
31日 日本6月雇用統計
31日 ユーロ圏6月失業率、ユーロ圏7月消費者物価指数・速報
31日 米7月消費者信頼感指数
8月1日 東電へ金融機関から3700億円の融資
1日 内閣総理大臣、駐日イスラム諸国大使等を「イフタール」に招待
 首相官邸でのイフタールは確か安倍首相の時代だから、2006年に始まったものだ。ちゃんと続いていることは喜ばしい。いずれは、ハヌカ(ユダヤ教の12月のお祭り)でも行事をやったらどうだろう。イスラムに配慮するなら、ユダヤにも同様のことをするのが自然だ。


1日 自販連、新車販売台数(7月)発表
1日 米ISM製造業景況指数(7月)、米FOMC政策金利発表
1日 ユーロスタット、失業率発表(6月)
1日 格安航空会社のエアアジア・ジャパン、国内線就航
2日 欧州中央銀行(ECB)理事会(独フランクフルト)
2日 スーダン紛争解決期限
2日 ユーロ圏生産者物価指数(6月)
2日 スペイン債入札
2日 第14回日中科学技術協力委員会
3日 森本敏防衛相、訪米
 いずれにせよ、地元説得は難しく、「ダイハード」の米軍基地反対論者の態度も変わらないだろうが、政治が「誠心誠意努力している」姿を示さないことには、地元の本当に良識ある人々を説得することは難しい。大変お疲れ様です。


3日 米7月雇用統計
5日 オスプレイ配備反対の県民大会(宜野湾市)


【来週の予定】
6日 ルーマニア国民投票
6日 広島原爆忌
6-8日 APEC通信・情報相会合(サンクトペテルブルク)
6-10日 OHCHR、第9回、人権理事会諮問委員会(ウィーン)
6-31日 OHCHR、第81回、人種差別撤廃委員会(ウィーン)
8日 ドイツ6月貿易統計発表
8-9日 日銀金融政策決定会合
8-22日 野球全国高校選手権(甲子園球場)
9日 長崎原爆忌
9日 OPEC、月間石油市場報告発表
9日 中国7月CPI、固定資産投資、社会消費品小売総額など発表
9-12日 ゴルフ全米プロ
12日 日航機墜落事故から27年
12日 イスラエル7月商品貿易統計発表

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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