外交・安保カレンダー(1月23-29日)

 今週は「米大統領選挙の楽しみ方」の第三回目である。 
 これまでは、「弱い大統領候補でも対立候補が更に弱ければ勝つ」、「相手候補者が最も弱くなる原因は相手の党が割れること」と書いてきた。それでは現在の共和党はこのような「割れる党」の典型例なのだろうか。
 21日のサウスカロライナ州共和党予備選では、あのギングリッジ元下院議長が二位のロムニー候補に12%の差をつけて勝利した。サウスカロライナは保守色の強い州だからギングリッジの勝利自体驚くべきでないが、問題はロムニーの負け方だ。
 次回フロリダは南部ながら保守色が弱いのでロムニーは順当勝ちするだろうが、このままではロムニー指名獲得まで暫く時間がかかってしまう。ということは、Tea Partyなど保守票がロムニーに流れず、共和党が割れる可能性が高まるということだ。
 ギングリッジは米政治学用語で「purist」と呼ばれる。この種の候補者は妥協が不得意で有名だ。ギングリッジが保守票を集めれば集めるほど、本選挙でのロムニー当選は遠のくだろう。その意味でも、フロリダでのギングリッジの得票が注目される。
 もう一つ気になるのは、エジプト議会選挙の結果だ。報道では「イスラム系議席が7割」などと「さらっ」と報じられているが、この7割が意味するところは小さくない。エルバラダイはエジプト国外で有名だが、彼が大統領になるチャンスはゼロということだ。
 これだけイスラム系議員が進出することは想定内で驚くべきではない。問題は今後のエジプトが90年代のアルジェリアのように混乱する可能性だ。万一不幸にもそうなれば、エジプトの「民主革命」は終わりだが、果たしてどうなることやら。


1月23日 フロリダ州タンパで共和党候補者討論会
23日 ユーロ圏財務相会合、EU閣僚理事会の外務理事会、農業漁業理事会
(すべてブリュッセル)
23日 春節(中国の旧正月)
23-24日 日銀金融政策決定会合
23-24日 日加EPAの可能性に関する共同研究第4回会合(東京)
23-26日 欧州議会委員会(仏ストラスブール)
24日 通常国会召集
24日 米大統領、一般教書演説
24日 EU財務相理事会
24-25日 米FOMC(連邦公開市場委員会)
24-25日 TPP協定交渉関係協議(ペルー、チリ)
24-25日 「炭素市場・気候変動資金に関するアフリカ会議」(南ア・ヨハネスブルク)
25日 東京電力、柏崎刈羽原発5号機が定期検査入り
25-29日 世界経済フォーラム年次会合(スイス・ダボス)
 菅前首相が出席し、原発事故の報告を行うらしい。こうした行動は私の感受性の限度を遥かに超えている。大したものだとしか言いようがない。


26・27・30日 国会、各党代表質問
26日 フロリダ州ジャクソンビルで共和党候補者討論会
26日 欧州中央銀行(ECB)理事会(独フランクフルト)
26日 国連総会、安保理改革G4案を公式協議
26-27日 EU司法内務相非公式会合(デンマーク・コペンハーゲン)
27日 米商務省、11年第4四半期GDP発表(1次速報)
27日 国連ホロコースト犠牲者を想起する国際デー
27日 EU閣僚理事会の総務理事会(ベルギー・ブリュッセル)
27日まで 中国電力、島根原発2号機が定期検査入り
27-30日 ムシャラフ・前パキスタン大統領が帰国
28日 ラブロフ・露外相が来日、日露外相会談
29-30日 アフリカ連合総会(エチオピア・アディスアベバ)
29-31日 IAEA調査団、イランへ派遣
29日 エジプト上院選


【来週の予定】
30日 EU首脳会議(ベルギー・ブリュッセル)
30-2月8日 国連経済社会理事会のNGO委員会、本会議
30日-2月19日 APEC高級実務者会合(モスクワ) 
31日 フロリダ州予備選
2月2日 クウェート議会選
3日 東京都が帰宅困難者対策の大規模訓練(東京駅・新宿駅など)
3-5日 ミュンヘン安全保障会議(Munich Security Conference)
4-6日 日本、社民党党首選
4-11日 ネバダ州党員集会、メーン州党員集会開始

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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