外交・安保カレンダー(12月5-11日)

 今週もユーロ圏から始めよう。5日に独仏首脳会談がある。7日には米国のガイトナー財務長官がイタリアの新首相と意見交換する。更に、9日には欧州首脳がベルギーに集合する。当分の間ユーロ問題は一進一退を続けるだろう。
 その間、日本では野党が防衛相、消費者相への問責決議案提出を考えているという。沖縄防衛局長発言のお粗末さにも呆れるが、それにしても、こんなことで日本は本当によいのだろうか。
 5日には米国務省のアインホーン顧問が韓国のイラン原油輸入を容認する発言を行ったと報じられたが、これもちょっと気になる。そもそも彼にそんな権限があるとは思えない。この種の報道は十分注意して熟読すべきだ。
 世界経済が再びリーマン・ショック的危機に直面するかもしれない昨今、いくらイランが核兵器開発で「けしからん」からと言って、フランスが主張するように、簡単に対イラン輸入禁止には踏み込めないはずだ。
 いずれにせよ、対イラン原油輸入問題の取り扱いは国務省顧問や調整官レベルで決める話ではなかろう。他にも言いたいことが沢山あるので、今回は個別にコメントすることにした。
 

12月5日 エジプト下院選決戦投票(第1ラウンド)
 真面目に民主主義をやればイスラム主義勢力が台頭するはずだ。エジプトの世俗主義勢力はいつも弱体だし、軽すぎて信用できない。他方、イスラム主義者に統治をやらせれば、エジプト内政が滅茶苦茶になる可能性も否定できない。困ったものだが、やはりエジプトには民主主義をやってもらうしかないのである。


5日 衆院予算委で「政治とカネ」について集中審議
5日 アフガニスタン復興に関する国際会議(ドイツ・ボン)
 アフガニスタンの復興プロセスについて話し合うため85カ国が集まるというが、集まって一体何を話すのだろうか。関係者が何を議論しても、パキスタンがその政策を変えない限り、アフガンに大きな進展はないだろう。
アフガニスタンには米軍他各国の軍や関係者が残っているが、1989年後と同様、今回もいずれ国際社会はアフガンを忘れるのではないか。そうならないよう必死で関心を維持しようとするだけの会議のようにも思える。杞憂でないことを祈るばかりだ。


5日 独仏首脳会談(パリ)
 ずばり主題はユーロ問題だろう。EUはメルケルとサルコジが引っ張っていく以外にないのだが、特にユーロについては両者の連携が死活的に重要であろう。メルケルは最後まで抵抗するだろうが、ドイツの犠牲的貢献がない限りEUは存在し得ない。


5日 コソボ共和国外務大臣、訪日
5日 エチオピア副首相と外相、訪日
5日 EU閣僚理事会、一般問題理事会(ベルギー・ブリュッセル)
5-6日 ムハラム・アシュラー(イスラム教の休日)
5-9日 TPP9か国による交渉会合
 今回は2012年度の交渉日程を決定するという。日本にとっては要注意だ。


5-22日 第7回生物兵器禁止条約(BWC)運用検討会議(スイス・ジュネーブ)
6日 アインホーン国務省特別顧問、訪韓
 核不拡散と軍縮問題担当で対イラン・北朝鮮制裁問題を担当するアイホーン顧問が第4回米韓核エネルギー協議を行うらしい。


6日 ロシア海軍、シリア沖に艦船を派遣
 ロシアも相変わらず、中東にちょっかいを出そうとしているが、どうなることやら・・・。いずれにせよ、1970-80年代のような影響力が甦ることはない。当時ですら、ソ連(ロシア)には米国から相手にされなかったアラブ諸国しかアプローチしていない。
 当時のソ連の影響力はロシアの本当の実力ではなかったと見るべきであるが、そうした状況は現在もあまり変わっていないのではなかろうか。


6日 カナダ中央銀行、政策金利調整日
6日 オーストラリア準備銀行金融政策決定理事会
6日 カナダ銀行金融政策決定理事会
6-7日 ポーランド中銀金融政策決定理事会
6-10日 コスタリカ共和国大統領、来日
7日 米財務長官訪伊、新首相と会談(ミラノ)
7日 米中安全保障協議(北京)
 中国からは馬曉天副参謀長が、米国からはフロノイ国防次官が参加するという。中国はこの後、9日にもインドと同様の協議を行う。米国のアジア回帰を踏まえて中国側もそれなりに考えているはずだ。これら協議の結果が気になるところである。


7日 アフガニスタン・タリバン政権崩壊から10年
7日 ニュージーランド準備銀行金融政策決定理事会、四半期金融政策報告公表
7日 オーストラリア11年第3四半期GDP発表
7日前後 民主党、社会保障に関する要望取りまとめ
7-8日 NATO外相理事会(ブリュッセル)
 ロシア外相がミサイル防衛につき協議を行うという。


7-8日 英金融政策委員会
7-8日 国連総会「開発資金に関する第5回ハイレベル対話」(米・ニューヨーク)
8日 欧州中央銀行理事会
7-8日 メドヴェージェフ露大統領、チェコ、ドイツ訪問
8日 ジブラルタル議会選
9日 米貿易統計(10月)発表
9日 欧州理事会(ベルギー・ブリュッセル)
 欧州首脳がユーロについて話し合うはずだが、結果や如何に。


9日 中印安全保障協議(ニューデリー)
 中国からは馬曉天副参謀長が、インドからはクマール国防大臣が参加し開かれる中印国防・安全保障協議は今回が4回目となるそうだ。


9日 臨時国会会期末
9日 政府税調、来年度税制改正大綱取りまとめ(予定)
10日 ノーベル賞授賞式 
10日 ソビエト連邦崩壊から20年
11日 コートジボワール議会選


【来週の予定】
12-13日 日中首脳会談(中国)
12-16日 第17回ASEAN運輸相会議(ATM)(プノンペン)
13日 米小売売上高(11月)発表
13日 米連邦公開市場委員会(FOMC)
14日 エジプト人民議会選(第2ステージ)
14日 ノルゲバンク(ノルウェー中銀)金融政策決定理事会
14日 第160回OPEC通常総会(ウィーン)
15日 スイス国立銀行金融政策決定理事会、四半期金融政策報告公表
15日 米軍、イラクから撤退
15日 コートジボワール議会選
15-17日 WTO閣僚理事会(スイス・ジュネーブ)
16日 米消費者物価指数(11月)発表
16日 台湾総統選・告示
17日 ガボン共和国議会選
17-18日 李明博・韓国大統領、来日

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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