外交・安保カレンダー(8月1日-7日)

 先週は米朝協議が行われたが、北朝鮮の意図は一体何なのだろう。北朝鮮が米国との関係改善を最も重視していることは分かるのだが、それにしては成果が見えてこない。やはり、いつもの通りの戦術なのかもしれない。
 中国の高速鉄道事故の幕引きも気になるところだ。鉄道省を生贄に幕引きを図るのは分かるが、そんな見え透いた田舎芝居で観衆が納得するのだろうか。今週中国国内で始まる報道規制や遺族に対する無言の圧力の高まりに注目したい。
 今週最も気になるのはシリア情勢である。バアス党政権はハマの町で再び弾圧を始めたようだが、何とも中途半端なところが実に痛々しい。バシャール政権は内部が割れているのではないか。そうだとすれば、シリアに出口はないだろう。
 イランとサウジアラビアの秘密交渉の行方も気になる。日本ではほとんど報じられていないが、両国の話し合いの内容如何ではイラク、バハレーン情勢だけでなく、核兵器開発疑惑をめぐる対米関係にも微妙な影響があるので要注意である。
 
1日 イラン空軍、大規模演習を実施
1日 中国江蘇省人民警察のトップ、イスラエル訪問
 さすが中国だ、地方レベルながら、治安面でイスラエルとの協力を進めているのだから大したものである。

1日 韓国・ペルーFTA発効
1日 日印EPA発効
 10年以内に日印の貿易額の94%の関税が撤廃される。大変結構なことだと思う。

1日 ラマダン(断食月)開始予定(イスラム諸国)
 今年のラマダンは暑い暑い8月だ。これが政治的に如何なる意味を持つかが気になるところだ。いずれにせよ、「アラブの春」などと言う人は本当はアラブ諸国に住んだ経験のない人々に違いない。中東地域で「アラブの春」とは一般に儚く短いものだからだ。

1-4日 ラオス副首相兼外務大臣、訪日
 トルトン・シースリット氏は本年6月に成立したラオス新政府の副首相兼外相である。こういう目立たない外務省賓客こそ大事にしなければならない。

2-9日 中国外相、アルバニア、ポーランド、スーダン、南スーダン訪問
 いつも思うことだが、国会審議のない国の外相はしっかりと外交ができて羨ましい限りだ。日本の外相がこれらの国を訪問したのはいつ頃だっただろうか。少なくとも、過去2年間ではほとんど覚えがない。

3日 イラン外相のロシア訪問
 ロシアとイランのエネルギー分野の協力の可能性が取沙汰されているので要注意である。

3日 ムバラク・エジプト前大統領と2人の息子の初公判
 ムバラクは東部のリゾート・シャルムエルシェイクの病院に入院中とされていたが、カイロで公判が始まるらしい。治安部隊によるデモ隊参加者殺害に関与した罪などで起訴されているが、同日にはガマールら2人の息子の初公判も予定されているという。この日にどの程度のデモがあるかにも関心がある。

4日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(ドイツ・フランクフルト)
5日 米雇用統計(7月)発表
5日 米航空宇宙局(NASA)が木星探査機「ジュノー」を打ち上げ
7日 カーボベルデ大統領選挙
 アフリカ大陸北部西岸の沖合いにあるこの島国共和国をご存知だろうか。1975年までポルトガルの植民地だった国だが、大統領は国家元首であると同時に首相の内閣(閣僚評議会)と行政権を分担する「半大統領制」国家である。

7日 サントメ・プリンシペ大統領選
 これまた、アフリカ大陸中部の西岸沖合いにある島国で、元ポルトガルの植民地である。世界には知られていないが多くの国が不十分ながらも民主的な選挙を実施していることが分かる。

【来週の予定】
9-13日 ASEAN経済相会合(インドネシア・マナド)
10-12日 2011第8回中国(北京)国際冶金工業展覧会
10-14日 グローバル・モデルUN(模擬国連)開催(韓国、14日まで)
11日 米貿易統計(6月)発表
11-13日 香港インターナショナル・ティー・フェア
11-14日 台北国際航空科学技術・国防工業見本市
12日 米小売売上高(7月)発表
14日 アルゼンチン急進党の大統領候補予備選挙

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

« 外交・安保カレンダー(7月25日-31日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(8月8日-14日) »

« 外交・安保カレンダー(7月25日-31日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(8月8日-14日) »

アーカイブ