外交・安保カレンダー(10月11日-17日)

外交安保関係で今週予想される動きと留意点を取り纏めました。「事前予想」ではなく、あくまで研究者としての「心構え」です。今週ですが、個人的にはイラクのマリキ首相の再選に興味があります。イラクでは3月の議会選挙以来7ヶ月ものすったもんだの挙句に、ようやく同首相が再選され二期目のマリキ内閣を作る方向が固まりつつあるのですが、やはり人事は「細部に悪魔が棲む」もので、組閣の佳境はこれからのようです。とても非効率に思える日本の民主主義もイラクよりは良しとすべきなのでしょうか。

10月11〜29日 生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)(名古屋)
 久しぶりに日本で開かれる大規模な環境国際会議だが、難航するだろうな。

10月11~14日 クリントン国務長官、ボスニア・ヘルツェゴビナ、コソヴォ、セルビア、ベルギー訪問
 ヒラリー長官はバルカン諸国のEU加盟について走り回っているようだが、こうなると本当にトルコが可哀想に思えてくる。何だかんだ言っても、結局EUはトルコ加盟を認めることはないと思うからだ。

10月11~12日 クシュネル仏外相、トルコ訪問
 トルコのEU加盟問題も話し合うのだろうが、本音は厳しいのではないか。仏外相訪問はサルコジ大統領のトルコ訪問の準備も兼ねるものらしい。

10月11~13日 ASEAN拡大国防大臣会合
 北澤防衛大臣は中国の梁国防部長と「短い話合い」を行ったそうだが、いずれにせよ、国防部長なんて人民解放軍の「渉外部長」でしかない。まあ、ないよりはマシだろう。

10月12日 ドイツのメルケル首相、ブルガリア訪問
10月13~14日 プサン沖でPSI海上阻止合同訓練実施
 PSIとは拡散に対する安全保障構想(Proliferation Security Initiative)と呼ばれる国際的枠組みのこと。国際社会の平和と安定に対する脅威である大量破壊兵器・ミサイル及びそれらの関連物資の拡散を阻止するために、国際法・各国国内法の範囲内で、参加国が共同してとりうる移転(transfer)及び輸送(transport)の阻止のための措置を検討・実践する取組を指す。今回は韓国が主催する。

10月14日 米貿易統計(8月)発表
 対中貿易の赤字がどうなるかに関心あり、翌日は人民元問題で米財務省が報告書を出す。

10月14日 NATO国防大臣会合
 主要議題はNATO軍内の指揮命令系統だそうだ。

10月14日 第157回OPEC通常総会(ウィーン)
 原油価格高騰時なら大騒ぎとなるところだが、今年は静かなものである。文字通りマスコミとマーケットは実に現金なものだ。

10月14~15日 ハワイで米中軍事交流再開
 米中海軍当局者が海上の安全保障について実務的協議を再開する。本年1月以来中断していたものだ。これが再開されても、直ちに米中間の軍事交流が本格的に動き出すとは思えないが、これまた、ないよりはマシだろう。
10月15〜16日 チェコ上院選挙(3分の1改選)
10月15日 米財務省、(半期年次)為替政策報告書発表
 劉暁波のノーベル平和賞受賞に続き、今度は米国が中国を為替操作国として認定するかどうかが焦点となる。常識的には「やるぞ、やるぞ」と言って対中圧力を掛けつつ「やらない」のがベストだが、今の中国政府にこの種の脅しが通じるかは疑問だ。米国が踏み切れば、米中関係は新たな段階に入るだろうが・・・。

10月15~18日 中国共産党中央委員会第5回全体会議(5中全会)
 中国ではそろそろ2012年の政治指導部世代交代に向けた人事が動き出すといわれるが、習近平が中央軍事委員会副主席になるかどうかなど、色々見るべき点がある。


【来週の予定】
10月18日の週 第3回韓国・トルコ自由貿易協定(FTA)交渉(アンカラ)
10月21日 WTO一般理事会(ジュネーブ)
10月22〜23日 G20財務相・中央銀行総裁会合(韓国・慶州)
10月23日 バーレーン議会選挙
10月24日 衆議院北海道5区補選 (「北海道教職員組合(北教組)の違法資金提供事件」)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

« 外交・安保カレンダー(10月4日-10日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(10月18日-24日) »

« 外交・安保カレンダー(10月4日-10日) | トップページ | 外交・安保カレンダー(10月18日-24日) »

アーカイブ