外交・安保カレンダー(10月4日-10日)

 外交安保関係で今週予想される動きと留意点を取り纏めました。「事前予想」ではなく、あくまで研究者としての「心構え」です。今週は「尖閣事件」でインタビュー取材と原稿執筆が重なり、本カレンダーの作成が大幅に遅れました。心よりお詫び申し上げます。

10月4~8日 イスラム諸国機構(OIC)、経済大臣会合を開催
 OICは57カ国が加盟、今回の閣僚級経済商業委員会会合は第26回目で、トルコのイスタンブールで開かれる。日本には馴染みがないが、なかなかどうしてOICは健在のようだ。

10月4~5日 第8回アジア欧州会議(ASEM)首脳会合(ブリュッセル)
 日本との関係では、日中首脳が会うのかどうかが気になるところだ、などと書こうと思っているうちに、夕食後の「立ち話(交談)」が行われた。要するに、中国もこれまでのような強硬姿勢が中国自身の国際的評価を下げていることに、ようやく(?)気付いたということだ。勿論、中国側は日本に対し一切譲歩していない。これで日中が「関係修復、一件落着」とはならないだろう。
日本では尖閣問題がらみのニュースしか報じられないが、今回からロシア、豪州、NZが参加している。個人的にはこちらの方がはるかに関心がある。

10月6日 アラブ連盟会合、パレスチナ問題を協議(カイロ)
 パレスチナのアッバース大統領の要請で、イスラエルの入植地凍結がないまま和平交渉を続けるべきかにつき議論する予定だが、恐らく会議はまとまらないだろう。10月8日にはリビアでアラブ首脳会議が予定されている。

10月6日 温家宝首相、バローソ欧州委員会委員長らと会談
 最大の焦点は勿論、人民元問題だといわれる。しかし、米ドルとは違い、最近ユーロ安が続いているので、EUとしても攻め方が難しいのではないか。「人民元は過小評価されている」と言っても、中国側は「それは、ユーロ安の結果だ」と切り返すだろう。当然ながら、EUはまだ中国の怖さを知らないのではないか。

10月7日 ロシア・ベラルーシ間エネルギー価格協定の締結期限
 最近ロシアとベラルーシの間で首脳レベルの「罵り合い」が続いている。ロシアは西欧に傾きつつあるルカシェンコ政権の姿勢に我慢がならないらしく、ロシア産の石油・天然ガス供給を梃子にベラルーシに更なる圧力を掛けようとしているようだ。とにかく傲慢な大国を隣国に持つと「ろくなことがない」ことは古今東西変わらないようだ。

10月7日 ギリシャの公務員、ベルギーの労働組合がストを予定
 自由なギリシャでストライキが続発し、同国を財政的に支援する中国では労働者が搾取されており、今もストライキ権が大幅に制限されているなんて、ほとんどジョークに近いと思う。

10月8日 米下院会期終了(目標)
10月8日 米韓国防大臣会合、ワシントンで開催
 ノムヒョン時代とは異なり、最近の米韓同盟は「戦略同盟2015計画」などを議論しており、なかなかしっかりしている。共同声明でも出れば、熟読したいところだが・・・・。

10月9~11日 IMF・世界銀行年次総会(ワシントン)
10月10日 キルギス議会選挙
 バキエフとオトゥンバエワ、「どっちもどっち」という感じだが、同国に大きな軍事基地を持つ米国とロシアも「どっちもどっち」だろう。更に、この間隙を縫って、最近では中国が経済的な存在感を増しつつあるらしい。このように中央アジアでは様々なグレートゲームが戦われているのだが、日本人はあまり関心がないようだ。

【来週の予定】
10月12日 ドイツのメルケル首相、ブルガリア訪問(予定)
10月14日 米貿易統計(8月)発表
10月14日 第157回OPEC通常総会(ウィーン)
10月15~16日 チェコ上院選挙(3分の1改選)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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