外交・安保カレンダー(11月19日-25日)

1979年エジプトでアラビア語を学び始めてから30余年、常に不思議に思ってきたことが再び起きた。ガザのハマスがイスラエルにロケットを打ち始めて6日目。欧米メディアのトップニュースはパレスチナ問題だが、日本では何故か小さな記事になる。
しかも、内容は陳腐。「イスラエルの空爆、子供も犠牲 誤爆の可能性も」これも大事だろうが、より重要な点が報じられていない。それは新大統領就任後エジプトがシナイ半島・ガザ間の国境規制を緩和し、今大量の武器がガザに流入していることだ。
欧米の政府は先に手を出したハマスの挑発を非難しつつ、イスラエルの自衛を支持している。当然だろう。問題の本質はエジプト、特にムスリム同胞団による政策の変更だからだ。実際に、同胞団内部でも現在この問題について意見が割れている。
日本マスコミの関心はやはりプノンペンで開かれる恒例の東アジア・サミットだろう。再選を果たしたオバマ大統領は18日のタイ訪問を皮切りに、19日の米大統領として初のミャンマー訪問に続いて、20日から首脳会議に参加するという。
一方、党大会を終えた温家宝「レームダック」総理もこれに対抗するかのようにカンボジアとタイを訪問する。日本マスコミの関心は日中韓FTAの交渉開始宣言、首脳会議での尖閣議論の可能性に集まっているが、この米中の外交合戦も見逃せない。
ミャンマーが脱中国を狙っていることは既知であり、オバマ大統領が行くことは今や不思議ではない。筆者がより関心を持つのは、同大統領のタイとカンボジア訪問だ。今は中国に近いカンボジアだが、米国は同国にも脱中国を働きかけているはずだ。
そういえば日本も本年3月、中国に近いラオスの首相を公式招待し、同様の働きかけを行っている。地味な首脳会談だから話題にはならなかった(実際に官邸HPの関連ページのツイート数は今もゼロだ)が、こうした努力の積み重ねは極めて重要だ。
中国との尖閣問題は単なる日中二国間問題ではない。今や米軍が「A2/AD」と呼ぶ中国の「接近阻止・領域拒否」は、南シナ海だけでなく、尖閣のある東シナ海でも具体的運用が始まったと見るべきである。
そうであれば、尖閣問題は「二国間問題」ではなく、「地域問題」の一部になったということ。この点を見誤ると尖閣問題に進展は期待できない。12月17日以降発足する日本の新政権に頑張ってもらうしかない。


11月19日 OECD事務総長、スペイン訪問
19日 オバマ大統領、タイ・ミャンマー訪問
19日 欧州外務理事会(ブリュッセル)
19日 欧州委員会、農業の生産性と持続可能性に関する会議(ブリュッセル)
19日 内閣府、9月景気動向指数改訂状況発表
19日 国際宇宙ステーション(ISS)滞在の宇宙飛行士星出彰彦さん、地球帰還
19-20日 日銀金融政策決定会合
19-20日 欧州中央銀行ワークショップ:過剰流動資金と金融市場機能
19or20日 ロシア1-9月貿易統計発表
19-22日 欧州議会本会議(ストラスブール)
19-23日 オランダ皇太子夫妻、ブラジル訪問
20日 東アジア・サミット(プノンペン)
20日 ブラジル休場
20日 国連事務総長、イスラエル、パレスチナ訪問
20日 欧州理事会、農業と漁業理事会
20日 欧州総務理事会
20日 ユーロ圏財務相会合(ギリシャに対する支援融資の再協議)IMF専務理事出席
20日 欧州委員会、今後の金融・教育・訓練システムの近代化戦略を発表(ストラスブール)
20-21日 日・トルコ経済連携協定(EPA)に関する共同研究第1回会合(アンカラ)
20-29日 世界電気通信標準化総会(WTSA-12)(ドバイ)
21日 日銀、11月金融経済月報・基本的見解発表
21日 財務省、10月通関ベース貿易収支発表
21日 米新規失業保険申請件数
21or22日 ロシア10月雇用統計、1-9月対内投資統計発表
22日 米国市場休場(感謝祭)
22日 欧州中央銀行(ECB)理事会(独フランクフルト)
22日 ネパール議会選
22日 イスラム途上国8か国首脳会議(D8)(パキスタン)
22-23日 欧州首脳会議(ブリュッセル)
22-23日 欧州委員会、平等サミット2012(キプロス)
22-23日 パキスタン内務大臣、インド訪問
23日 東京休場(勤労感謝の日)
23日 北朝鮮による韓国・延坪島砲撃事件から2年
23日 EU外相理事会(ブリュッセル)
23-24日 エジプト大統領、パキスタン訪問
23-25日 フォーミュラ・ワン(F1)ブラジル・グランプリ(サンパウロ)(注)
23日-12月2日 広州国際自動車博覧会
24日 日韓財務対話(ソウル)
25日 カタルーニャ州選挙(スペイン)


【来週の予定】
26日 日銀議事録(10月30日分)
26日 EU一般問題理事会(ブリュッセル)
26日 WTO物品理事会(ジュネーブ)
26-27日 欧州委員会、欧州水計画会議(キプロス)
26-27日 欧州委員会、社会イノベーションと社会政策の実験に関する会議(キプロス)
26-27日 EU理事会、教育、青少年、文化とスポーツ評議会(ブリュッセル)
26-27日 欧州委員会、第13回エコイノベーションに関する欧州フォーラム(リスボン)
26-28日 ノルウェー皇太子、皇太子妃、インドネシア訪問(インドネシア)
26-29日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
26-29日 コロンビア・イスラエルFTA交渉会合(コロンビア)
26-30日 日・カナダ経済連携協定(EPA)交渉第1回会合(東京)
26-30日 UNCTAD、第4回投資・企業・開発委員会(ジュネーヴ)
26-30日 AU閣僚級社会開発会議(アディスアベバ)
26日-12月7日 第18回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP18)(ドーハ)
27日 宇都宮市長選
27日 OECDエコノミック・アウトルック発表(パリ)
27日 クウェート首長、英国訪問
27日 欧州経済社会委員会、すべてのエネルギーに関する会議(ブリュッセル)
27日 欧州投資銀行、「地中海における持続可能な観光に向けて」会議(マルセイユ)
27-28日 欧州委員会、第1回ドナウ川地域のためのEU戦略フォーラム(レーゲンスブルク、ドイツ)
27-28日 第19回欧州雇用フォーラム(ブリュッセル)
27-28日 OHCHR、第5回マイノリティ問題に関するフォーラム(ジュネーヴ)
27-28日 FAO、第22回国際米穀委員会(ローマ)
27-12月1日 UMNO年次党大会(マレーシア)
28日 日本、オーストラリアなどを中心に、東アジア、オセアニアほぼ全域とロシアの大部分、および北アメリカの北西部の一部で半影月食観
28日 欧州委員会、EUにおけるeコマース成長のため統合された市場政策案を採用(ブリュッセル)
28日 ユーロ圏10月マネーサプライM3・季調済
28-30日 EU代表団、貿易交渉のためチュニジア訪問
29日 欧州理事会、貿易相理事会(ブリュッセル)
29日 アッバス議長、パレスチナの国連参加資格を「オブザーバー機構」から「オブザーバー国家」に格上げする国連総会決議案提出
29日 東京都知事選告示
29日 ユーロ圏11月消費者信頼感発表
29日 米国第3四半期GDP、米新規失業保険申請件数発表
29日-12月10日 タイ国際モーターEXPO
29-30日 欧州地域委員会本会議(ブリュッセル)
30日 秋篠宮さま47歳の誕生日
30日 マダガスカル大統領選、議会選
30日 欧州委員会、欧州•中国間文化対話の年2012閉幕(北京)
30日 第5回シリア制裁ワーキング・グループ(WG)会合(東京)
30日 那覇市長選
30日 総務省、10月失業率発表
30日 厚生労働省、10月有効求人倍率発表
30日 総務省、10月全国消費者物価指数発表
30日 財務省、外国為替平衡操作の実施状況発表
30日 欧州統計局、10月失業率発表
30日 米10月個人所得、個人支出、PCEデフレータ、11月シカゴ購買部協会景気指数発表
30日 インド第2四半期GDP発表
30日 ブラジル第3四半期GDP発表
30日 第6回南米諸国連合(UNASUR)首脳会合(ペルー)
月内 プーチン、インド訪問
月内 イスラエル首相、EU訪問(イランに関する対話)
月内 IMFの監査役、ルーマニアを進捗状況確認のため訪問
月内 日ロ貿易経済政府間委員会(日本)
月内 労働法改正法案国会審議(メキシコ)
月内 理化学研究所と富士通、スパコン「京」を本格稼働
月内 香港議会選挙
月内 ASEAN首脳会議・東アジアサミット(プノンペン)
月内 サウスストリーム・ガスパイプライン建設の最終投資決定(ロシア)
月内 米国パキスタン戦略対話
12月1日 皇太子ご夫妻の長女、愛子さま11歳の誕生日
1日 クウェート議会選
1日 メキシコ大統領就任式
1日 ペルー10月CPI発表
1-9日 ITmonth(台北)
2日 スロベニア大統領選
2日 ブルキナファソ議会選・市議会議員選挙

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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