金正男が暗殺されて、もう一週間経った。日本のメディアは連日これでもか、これでもかと未確認情報を垂れ流した。かく言う筆者も質問を受ければ、何か答えざるを得ない。あくまで仮説であって証明されたものではないと断っても、その部分は結局カットされてしまう。この種のコメントは意外に難しいのだ。

特に難しいのは、「なぜ今なのか」という問いだ。張成沢に連なっていたからこそ、金正男は中国にとって価値があった。されば、張が粛清されたことにより、金正男の価値は大幅に低下したはず。もう中国は金正男の護衛を止めていたのか。では何故今頃、中国は北朝鮮の石炭購入を止めたのか。疑問は多い。

筆者が最も気になるのは、トランプ政権が北朝鮮に如何なるメッセージを発したかだ。考えてみれば、新政権は選挙中から、世界中の国々、特に問題のある国々に対し、まずは挑発し、喧嘩を売って、圧力を掛けてから、交渉に持ち込み、妥協を探るような戦術的手法を模索してきたようにも見える。

中国も、日本も、NATOもそうだった。北朝鮮に対しても、昨年後半のオバマ政権時代から、やれ斬首作戦だ、外科的手術だなどという噂が流れていたが、トランプ政権はもっと過激なのだろうか。そういえば、米国が金正男を利用して北朝鮮転覆を考えているという噂すらあった。北朝鮮は過剰反応したのか。



〇欧州・ロシア
今週欧州は忙しい。20日に英上院はEU離脱法案を審議し、ユーロ圏諸国はギリシャ問題を討議し、米副大統領はブラッセルを訪問する。22日にはドイツ首相がIMF関係者と会談し、23日にはジュネーブでシリア問題の会合が再開される。特に、米副大統領のNATOに関する発言は要注意だろう。

〇東アジア・大洋州
今週はマレーシア発報道がアジアを駆け巡った。それにしても、北朝鮮の工作員がクアラルンプールにあれほど多数いたのかと思うと、日本だって他人事ではないということか。これまで北朝鮮と親しかったマレーシアが今回は筋を通そうとしている。自国内で工作員が暗殺したのだから当然なのだが・・・。

〇中東・アフリカ
今週の中東は静かだ。トランプ氏がイスラエル首相との会談でパレスチナ問題をユダヤ人国家とパレスチナ人国家の樹立により解決することを目指す「二国」解決策に拘らないと発言したのに、である。一方、国連安保理では米国の大使が米国の伝統的政策は「二国」解決策だと公言している。大丈夫なのか。
23日にはイランとサウジアラビアが会合を持つ。と言っても、内容はハッジ(聖地巡礼)の話だ。たかが巡礼、されど巡礼である。最近はイランからの巡礼者に対する差別などの問題もあると聞くが、このような機会に両国間の意思疎通が続くことを祈るばかりだ。

〇南北アメリカ
今週もトランプ政権は相変わらずだが、23日には国務長官と国土安全保障長官が揃ってメキシコを訪問するという。メキシコ国境の壁の問題は進展するかもしれない。この両長官なら、ある程度話が分かるだろうからだ。しかし、壁の問題はトランプ氏が一度喋り始めたら、ぶち壊しになりかねない、要注意だ。

〇インド亜大陸
22日にインドの外相が中国を訪問し、第一回目の中印「戦略対話」会合を開くという。何を話すのか、興味津々だが・・・。今週はこのくらいにしておこう。

2月20日 タイ2017年経済見通し発表
20日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)(ベルギー・ブリュッセル)
20日 米国のマイク・ペンス副大統領がブリュッセルを訪問
20-21日 EU競争担当相理事会(ブリュッセル)
20-23日 WFP執行理事会(First regular session)
20-25日 米国の下院議員27人がインドを訪問
20日-3月10日 国際民間航空機関(ICAO)第210回Council Phase
21日 ロシア第3四半期外国直接投資統計発表
21日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
21日 ASEAN非公式外相会議(フィリピン)
21-22日 ブラジル中銀、Copom
21-23日 太陽エネルギー・エネルギー効率国際展示会(モロッコ・カサブランカ)
21-23日 インドのM Hamid Ansari副大統領がウガンダを訪問
21-23日 第24回アジア輸出管理セミナーの開催(東京)
22日 ユーロスタット、1月CPI発表
22日 メキシコ第4四半期GDP発表
22日 ISS無人補給機プログレスMS5(66P)(カザフスタンン・バイコヌール)
22日 「V4+日本」移民問題セミナーの開催(東京)
22日 フランスのエロー外務・国際開発大臣がアイルランドを訪問
22-26日 韓国最大級の住宅展示会「KOREA BUILD 2017」(韓国・高陽市)
23日 日本キューバ官民インフラ会議(ハバナ)
23日 国連主導のシリア和平協議(スイス・ジュネーヴ)
23日 米国のティラソン国務長官とケリー国土安保長官がメキシコ訪問
23-24日 FBCハノイ2017ものづくり商談会
24日 メキシコ12月小売・卸売販売指数発表
24日 ブラジル1月全国家計サンプル調査発表
25日 「JAPAN HOUSE フォーラム2017」の開催(東京)
26日-3月2日 中東地域食品産業見本市「ガルフード(Gulfood)2017」(UAE・ドバイ)

【来週の予定】
2月27日 EU運輸・通信・エネルギー担当相理事会(ブリュッセル)
27日 WTO一般理事会(ジュネーブ)
27日 メキシコ1月貿易統計、雇用統計発表
27日か28日 ロシア2016年貿易統計、1月雇用統計発表
27-28日 国際投資フォーラム「ソチ2017」(ロシア・ソチ)
27日-3月24日 第34回国連人権理事会
28日 米国2016年第4四半期および年間GDP(改定値)発表
28日 EU環境相理事会(ブリュッセル)
28日 英国商工会議所(BCC)年次総会(ロンドン)
28-29日 WTO知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)理事会(ジュネーブ)
28日-3月2日 経済社会理事会(ECOSOC)本会期(Operational activities for development segment)
28日-3月4日 香港国際ダイヤモンド・宝石&パール・ショー
最終週 アンゴラ中銀、金融政策委員会
上旬 中国1月CPI、1月貿易統計発表
中旬 メキシコ12月鉱工業生産指数発表
中旬 南ア1月CPI発表
中旬 ナイジェリア1月CPI発表
下旬 ブラジル1月全国家計サンプル調査発表
月内 アゼルバイジャン・英国政府間委員会(経済協力)第2回会合
月内 ギニア市議会議員選挙
月内 ベラルーシのルカシェンコ大統領がウズベキスタン訪問
月内 ロシアのロゴジン副首相がインド訪問
月内 スペイン・セルナ勧業相がウクライナ訪問
月内 米国予算教書発表
月内 米国大統領経済報告書発表
2月か3月 ロシア・マトビエンコ上院議長がベトナム訪問
3月1日 アルゼンチン通常国会開会式
1日 カナダ中銀、政策金利発表
1-2日 欧州議会本会議(ブリュッセル)
2日 ユーロスタット、1月失業率発表
2日 北アイルランド議会選挙
2-3日 EU外相理事会(非公式会合)(バレッタ)
3日 EU雇用・社会政策・健康・消費者問題担当相理事会(ブリュッセル)
3日 中国第12期全国人民政治協商会議第5回全体会議(北京)
3-5日 パキスタン・オートショー(PAPS)(カラチ)
3-5日 スリランカ医療産業展(コロンボ)
5日 中国第12期全国人民代表大会第5回全体会議(北京)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2017年2月21日(火) | [ ]

あの前例のない日米首脳会談関連行事がワシントンとフロリダで行われていた頃、筆者はバルト三国の一つエストニアの首都タリンにいた。前回書いた通り、首脳会談でサプライズは予想しなかったのだが、トランプ氏があれほど上機嫌に振舞うとは思わなかった。関係者の努力の賜物だ。本当にお疲れ様!

それでも北朝鮮がミサイルを発射した後の12-13日には、東京から何本か電話取材が入った。普通なら情報不十分とお断りするところだが、今回はCNNがトランプ氏の「偉大な同盟国日本を100%支持する」発言を何十回も報じていたので、違和感なくコメントすることができた。これまた異例というしかない。

今回の首脳会談のポイントは三つある。詳しくは読売新聞電子版に掲載されているが、第一は日米同盟、特に安保条約第5条の防衛義務の尖閣諸島適用を首脳レベルで確認したことだ。米国の中国に対する厳しい姿勢を暗示するような重要な流れである。

第二は自動車など二国間個別経済事項で麻生副総理とペンス副大統領が主導する新たな経済対話の枠組みを作ったことだ。ここで貿易問題を粛々と協議することができれば、トランプ氏の衝動的発言による影響が少なくなり、経済問題でも不確実性の低下が期待されるだろう。

最後は首脳レベルの意見交換が親密かつ長時間にわたって行われることだ。初の公式会談としては前例がないほど長い。通常であればじっくり話せないような世界各地の政治経済情勢についても、突っ込んだ意見交換を行うことが十分可能だ。日米首脳会談の過去を知るものにとっては隔世の感すら感じる。

少なくとも日米関係について、トランプ氏は「選挙」モードから徐々に「統治」モードに移行しつつあるのだろう。結構なことだ。日米首脳会談直前の米中首脳電話会談も歓迎すべきである。新政権の対アジア政策が予想よりはサプライズの少ない、より現実的なものとなりつつあるのなら大歓迎だ。

もちろん、トランプ政権の対外政策が今後とも「選択的」である続ける可能性はある。衝動的、直感的な発言を続けるトランプ氏に振り回される可能性も排除されない。しかし、他国に比べれば、トランプ政権下での日米関係の「出だしは上々」といえるのではないか。

〇欧州・ロシア
16-17日にG-20外相会合がドイツで開かれる。ティラーソン国務長官にとってはデビュー戦となる。17日からはミュンヘンで恒例の安全保障会議がある。ここでトランプ政権がNATOについて何を言うかが焦点となる。エストニアにとっては正に自国の安全保障にも直結する話だ。
一方、ロシアは着々と手を打ちつつある。14日にはトルコと外務次官級の協議を行い、15日にはアフガニスタン関係の国際会議を、15-16日にはアスタナで再びシリア問題に関するトルコ、イラン、ロシアの会合が開かれる。トランプ政権が動き出す前に既成事実を作ろうとしているのだろうか。

〇東アジア・大洋州
14日に香港の次期行政長官選びが始まる。とはいっても完全な公選ではなく、職域組織や業界団体代表による制限的間接選挙であり、最終的な任命権は国務院が持っている。一方、香港といえば、最近中国出身の資産家が香港中心部の豪華ホテルから拉致されたという。まだこんなことがまかり通っているのか。

〇中東・アフリカ
シリア問題をめぐってはトルコ外交も活発だ。12-15日にトルコ大統領がサウジ、バハレーン、カタルを歴訪するのもその一環だろう。また、15日にはイスラエル首相がワシントンを訪問する。トランプ政権下で初めての会談だが、米大使館のイェルサレム移転問題が具体的に動けば、どこかで血が流れるだろう。

〇南北アメリカ
イスラム系7カ国からの入国制限に関する大統領令が確かサンフランシスコの連邦控訴審で「違憲」とされたことを受け、トランプ政権は新たな措置の導入を考えているらしい。内政では相変わらず「選挙モード」を続けているようだ。一方、外交面では12日にカナダの首相がトランプ氏と会談する。

〇インド亜大陸
特記事項なし。

2月13日 第19回東アフリカ共同体(EAC)首脳会合
13日 カナダのトルドー首相がワシントンを訪問(米国)
13-14日 ウルグアイのバスケス大統領がフィンランドを訪問
13-15日 ギリシャのコジアス外相がベトナムを訪問
13-16日 欧州議会本会議(フランス・ストラスブール)
13-16日 欧州議会委員会会議(ストラスブール)
14日 ブラジル12月月間小売り調査発表
14日 南ア第4四半期労働力調査発表
14日 UN-Women執行委員会(First regular session)
14日 中国1月CPI発表
15日 南ア1月CPI発表
15日 米国1月小売売上高統計発表
15日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(非金融政策)(ドイツ・フランクフルト)
15日 米国1月CPI、小売売上高統計発表
15日 イスラエルのネタニヤフ首相が米国のホワイトハウスを訪問(米国・ワシントン)
15日 インドネシア統一地方選
15日か16日 ロシア1月鉱工業生産指数発表
16-17日 G20外相会合(ドイツ・ボン)
17日 南ア第4四半期労働力調査
17日 EU教育・若年・文化・スポーツ相理事会(ベルギー・ブリュッセル)
18日-3月3日 APEC第1回高級実務者会合(SOM1)、関連シンポジウム(ベトナム・ニャチャン)
19日 エクアドル大統領・国会議員選挙

【来週の予定】
2月20日 タイ2017年経済見通し発表
20日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)(ブリュッセル)
20-21日 EU競争担当相理事会(ブリュッセル)
20-23日 WFP執行理事会(First regular session)
20日-3月10日 国際民間航空機関(ICAO)第210回Council Phase
21日 ロシア第3四半期外国直接投資統計発表
21日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
21-22日 ブラジル中銀、Copom
21-23日 太陽エネルギー・エネルギー効率国際展示会(モロッコ・カサブランカ)
22日 ユーロスタット、1月CPI発表
22日 メキシコ第4四半期GDP発表
22日 ISS無人補給機プログレスMS5(66P)(カザフスタンン・バイコヌール)
22-26日 韓国最大級の住宅展示会「KOREA BUILD 2017」(韓国・高陽市)
23日 日本キューバ官民インフラ会議(ハバナ)
23-24日 FBCハノイ2017ものづくり商談会
24日 メキシコ12月小売・卸売販売指数発表
24日 ブラジル1月全国家計サンプル調査発表
26日-3月2日 中東地域食品産業見本市「ガルフード(Gulfood)2017」(ドバイ)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2017年2月14日(火) | [ ]

今週のハイライトは2月10-11日の安倍首相の訪米だろうが、その頃、筆者はロシアのモスクワからエストニアのタリン、更にはフィンランドのヘルシンキに出張しているはずだ。申し訳ないが、今回の日米首脳会談に大きなサプライズはないと思う。トランプ氏の世界観、戦略観が朧気ながら見えてきたからだ。

それでも、気は抜けない。トランプ氏が今後4年間、これまで通りの「選挙モード」を続け、かつ、民主党系の友人が言うようなNPD(自己愛性パーソナリティ障害)的傾向をも持ち続けるのだとすれば、その衝動性、直情性が故に、貿易問題などの文脈で日中を等しく批判する可能性は今後も十分あるからだ。

しかし、ある米国の戦略家は「戦略の基本は同時に二つの敵と対峙しないことだ」と言った。トランプ氏が中露のどちらを第一の仮想敵国と見るかは不明だが、東アジアで日中二国と同時に敵対する選択肢はない。トランプ政権の対中警戒感がオバマ政権以上だとすれば、日米関係を悪化させる可能性は低い。

先週のマティス国防長官の訪日でもサプライズはなかった。米側は従来通り、言うべきことを言い、日本側も従来通り、然るべく答えただけ。日本側は「安堵した」と報じられたが、「安堵」よりは「予想通り」だろう。やはり、トランプ氏の選挙中の発言は世界中の同盟国にとって「トラウマ」のようだ。

〇欧州・ロシア
今週も欧州諸国の動きは活発だ。6日にはイスラエル首相が訪英、8日にはドイツ首相がポーランドを訪問する。ポーランドは、万一、トランプ氏の主張通り、シリアでの米露協力によるイスラム国掃討作戦の引き換えに米国が対露経済制裁の解除に動けば、真っ先に影響を受ける国だ。ドイツの動きも要注意だろう。

〇東アジア・大洋州
6日から韓国大統領に対する検察の尋問が始まる可能性がある。それにしても、韓国外交は機能停止ではないか。トランプ氏が当選し、世界が大きく動き始める中で、韓国だけが動かない、というか、動けない。現在の韓国は、民主主義というシステムの運用が如何に難しいかを示す好例ではないかと思う。

〇中東・アフリカ
6日、ロシア代表団がシリアを訪問する一方で、シリアの反体制派がトルコを訪問する。同時に、アスタナではロシア、イラン、トルコの代表がシリア停戦問題を議論する。しかし、アスタナ会議に欧米諸国は参加できない。ロシアとイラン主導のシリア停戦にトルコが乗る構図だが、米国も足元を見られたものだ。

〇南北アメリカ
トランプ氏とその周辺は相変わらず「キャンペーン」を続けている。イスラム系7か国からの入国を制限する大統領令について、連邦下級審が差し止めを命じたのに対し、トランプ氏はツイッターで当該裁判官に対する個人攻撃を行った。これまでの米国の常識が崩れていくのか、それともトランプだけの現象なのか。

〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。

2月6日 EU外相理事会(ベルギー・ブリュッセル)
6日 第10回日本国際漫画賞授賞式(東京)
6日 ロシアの14人の代表団がシリアを訪問
6日 イスラエルのネタニヤフ首相が英国のメイ首相と会合(英国・ロンドン)
6日 ブルガリアのRumen Radev大統領が「the Economic Forum Bulgaria」に参加(ドイツ・ベルリン)
6日 NATOのストルテンベルグ事務総長がルーマニアのTeodor-Viorel Meleşcanu外相と会合(ブリュッセル)
6日 NATOのストルテンベルグ事務総長がポーランドのヴァシチコフスキ外相と会合(ブリュッセル)
6-7日 モルドバのIgor Dodon大統領がブリュッセルを訪問(ベルギー)
6-9日 アフリカ鉱業投資会議「マイニング・インダバ」(南ア・ケープタウン)
6-9日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
6-11日 シンガポールのサム・タン国務大臣がノルウェーを訪問
6-13日 対日理解促進交流プログラム「カケハシ・プロジェクト」カナダ高校生が訪日
6-14日 JENESYS2016 招へいプログラム(対象国:SAARC加盟8か国、テーマ:エネルギー)
7日 米国2016年12月貿易統計発表
7日 EU一般問題理事会(ブリュッセル)
7日 ハイチ大統領就任式典へ薗浦健太郎総理特使を派遣
7日 インド中銀が金融政策発表
7日 豪中銀が金融政策発表
7-14日 JENESYS2016 招へいプログラムの実施(対象国:フィリピン、ベトナム、ミャンマー、ラオス、第13陣)
7日か8日 ロシア1月CPI発表
7-8日 国際観光展「IMTM 2017」(イスラエル・テルアビブ)
7-9日 国連児童基金(UNICEF)執行理事会(First regular session)
7-17日 ウルグアイのバスケス大統領がロシアを訪問
8日 ソマリア大統領選
8日 タイ中央銀行、金融政策委員会
8日 ブラジル1月拡大消費者物価指数(IPCA)発表
8日 「Syria peace talks」(スイス・ジュネーブ)
8-10日 第2回国際観賞魚貿易と技術セミナー(スリランカ・コロンボ)
9日 メキシコ1月CPI発表
9日 ニュージーランド中銀が金融政策発表
9-10日 シカゴ自動車ショー(報道向け公開)(一般公開は11-20日)
9-12日 ブラジルデザイン関連見本市「Paralela Gift 2017」(ブラジル・サンパウロ)
10日 日米首脳会談
10日 「EU4Business in Ukraine」(ウクライナ・キエフ)
10日 メキシコ12月鉱工業生産指数発表
10日 中国1月貿易統計発表
11日 「車座ふるさとトーク」開催(鳥取県・境港市)
12日 トルクメニスタン大統領選挙
12日 ベラルーシ、日本を含む80か国対象に短期滞在目的のビザを免除
12日 独大統領選出
12-14日 サウジ 水と環境フォーラム(SWEF)2017(サウジアラビア・リヤド)


【来週の予定】
2月13日 第19回東アフリカ共同体(EAC)首脳会合
13-14日 ウルグアイのバスケス大統領がフィンランドを訪問
13-16日 欧州議会本会議(フランス・ストラスブール)
14日 ブラジル12月月間小売り調査発表
14日 南ア第4四半期労働力調査発表
14日 UN-Women執行委員会(First regular session)
14日 中国1月CPI発表
15日 南ア1月CPI発表
15日 米国1月小売売上高統計発表
15日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(非金融政策)(ドイツ・フランクフルト)
15日 米国1月CPI、小売売上高統計発表
15日 イスラエルのネタニヤフ首相が米国のホワイトハウスを訪問(米国・ワシントンD.C.)
15日か16日 ロシア1月鉱工業生産指数発表
16-17日 G20外相会合(ドイツ・ボン)
17日 南ア第4四半期労働力調査
17日 EU教育・若年・文化・スポーツ相理事会(ブリュッセル)
18日-3月3日 APEC第1回高級実務者会合(SOM1)、関連シンポジウム(ベトナム・ニャチャン)
19日 エクアドル大統領・国会議員選挙

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2017年2月 7日(火) | [ ]

先週後半、ワシントンに出張してきた。第一の目的は、キヤノングローバル戦略研究所が現地のシンクタンク・スティムソンセンターと共催したシンポジウムに参加することだった。幸い、今回は前回以上に多くの旧友と会えたので、現地の雰囲気を直接感じとることができた。状況は予想以上に悪いと思う。

昨年末に続き、約一カ月ぶりのワシントンだったが、今回は大統領就任式後一週間だから、通常なら、新政権はとっくに始動している、いや「しているはず」だった。ところが、トランプ氏は相変わらず「選挙モード」のままらしく、「統治モード」に移行する気配は僅かしか見られなかった。

今回の出張中、政策面での気付きの点は今週木曜日の産経新聞と週刊新潮のコラムに詳しく書いたので、ご関心の向きはそちらを読んでほしい。ここでは新政権のロジ面で気になった点をご紹介しよう。簡単に言えば、今回ほどtransitionすなわち政権移行が混乱しているケースは珍しいということだ。

普通の年でも、政権移行は容易ではない。しかし、通常なら新大統領の側近や選挙チームの中に4年前、8年前の政府高官経験者がいるので、「政権移行」の限界については最小限の理解がある。ところが、今回はそれが全くない選挙チームがキャンペーン状態のまま、ホワイトハウスを占拠してしまったのだろう。

当然、事務的には大混乱となる。各省庁のトップが決まっていないのだから、次官以下の実務高官も当然いないのだ。実務の詳細に関する知識が不十分なまま、大統領令だけが乱発される。トランプ氏がNPD(自己愛的パーソナリティ障害)の典型症状を示しているとの指摘も聞いた。ホワイトハウス関係者からは夥しい量の不協和音的情報漏洩があるらしい。何もかも、驚くしかない。

「側近選挙チーム」のうち能力を欠いた連中が淘汰され、プロの「政策立案実施チーム」にとって代わられるまでには、通常でも数カ月かかる。しかし、今回は半年以上かかるのではないか。このままでは、いずれかの時点で内部対立が表面化し、何人かが象徴的に辞任するまで、大混乱が続くだろう。


〇欧州・ロシア
31日に英国議会がEU離脱法案の審議を始める。英最高裁が「離脱には議会の承認が必要」と判断したからだ。これでも離脱の方向性は変わらないのだろうか。2日にはロシア大統領がハンガリー首相と会い、ドイツ首相がトルコ大統領と会う。トランプ政権始動で欧州政治も活発化するのだろう。要注意だ。

〇東アジア・大洋州
2月初旬に米国の新国防長官が日韓を公式訪問する。トランプ氏は韓国首相に米国の防衛義務を確約した。どうやらマティス長官の下で同盟関係に激変が起こることはなさそうだ。問題は中国の出方だろうが、不気味なほど静かなのは当然としても、このまま人民解放軍が静かにしているかは疑問、要注意だ。

〇中東・アフリカ
トランプ氏の大統領令が混乱に拍車を掛けている。イスラム人口多数の7カ国からの移民・難民の入国を厳しく制限する大統領令は出たが、現場は大混乱だ。日本の一部には、対象国にトランプ氏がビジネスで深い関係にあるサウジ、トルコ、UAE、エジプト、インドネシアが含まれないのは何故かと問う声があるらしい。ビジネスと安保の区別もつかないのか、困ったことだ。他方、この措置に対するイスラム圏からの反発も半端ではなかろう。恐ろしい予感がする。

〇南北アメリカ
30日にヨルダン国王が訪米する。なぜ日本より先なのか、などと問わないでほしい。ヨルダンを重視するなんて、トランプ政権にしては上出来ではないか。今こそ、米国がシリアとイラクの周辺国に米国が「現状維持」の決意を示すべき時である。

〇インド亜大陸
特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。


1月30日 ブルネイ、モロッコ、レバノンから食品輸入規制当局関係者が日本を訪問
30日 外務省と国土交通省の主催による平成28年度第4回シティ・ツアー
30日 英国のメイ首相がアイルランドを訪問
30日 ヨルダンのアブドッラー国王陛下が米国を訪問
30-31日 ギリシャのチプラス首相がセルビアのブチッチ首相と会合(セルビア・ベオグラード)
30-31日 ブルガリアのRumen Radev大統領がブリュッセルを訪問
30日-2月1日 サイバー技術国際会議「サイバーテック2017」(イスラエル・テルアビブ)
30日-2月2日 中東地域医療産業見本市「アラブヘルス2017」(UAE・ドバイ)
30日-2月2日 欧州議会委員会会議(ベルギー・ブリュッセル)
30日-2月3日 トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外相がアルゼンチン、パラグアイ、ドミニカ、メキシコを歴訪
30日-2月6日 対日理解促進交流プログラム「カケハシ・プロジェクト」でカナダ高校生が日本を訪問
30日-2月7日 JENESYS2016 招へいプログラム( 対象国:ASEAN10カ国、東ティモール及びインド、テーマ:経済)
31日 ユーロスタット、12月失業率発表
31日 最高裁「養子縁組無効確認」判決
31日 ブラジル12月全国家計サンプル調査発表
31日-2月1日 米国FOMC
31日-2月2日 バムジー緑の気候基金事務局長が日本を訪問
最終週 アンゴラ中銀、金融政策委員会
初旬 中国2017年主要統計の発表日程公表
上旬 ケニア中央銀行、金融政策委員会
上旬 中国2016年通年貿易統計発表
上旬 インド2016年度GDP予測発表
上旬 メキシコ12月CPI、自動車生産・販売・輸出統計、11月鉱工業生産指数発表
上旬 ブラジル12月IPCA発表
中旬 メキシコ12月雇用統計発表
中旬 中国2016年通年経済指標(GDP、CPI、固定資産投資、社会消費品小売総額など)発表
中旬 南ア12月CPI発表
中旬 ブラジル11月月間小売り調査発表
下旬 ブラジル12月全国家計サンプル調査発表
下旬 ナイジェリア中銀、金融政策委員会
下旬 第28回アフリカ連合(AU)総会(エチオピア・アディスアベバ)
下旬 メキシコ11月小売・卸売販売指数、12月貿易統計発表
下旬-2月上旬 第19回東アフリカ共同体(EAC)首脳会合
月内 オーストリアのクルツ外務・欧州統合相がジョージア訪問
月内 IMF、世界経済見通し(World Economic Outlook)発表
月内 世界銀行、世界経済見通し(Global Economic Prospects)発表
月内 ジョージアのクビリカシビリ首相がイタリア訪問
月内 英国最高裁、EU離脱通知の議会承認の要否に係る判決公表
月内 ウズベキスタンとタジキスタンの首都間で直行便運航が再開
月内 パキスタン中央銀行、金融政策決定会合
月内 西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)首脳会議(コートジボワール)
月末 米国大統領一般教書演説
2月1日 ブラジル12月鉱工業生産指数発表
1日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(非金融政策)(ドイツ・フランクフルト)
1日 インド2017年度政府予算案発表
1日 米国FOMC
1-2日 欧州議会本会議(ベルギー・ブリュッセル)
1-2日 「Athens Energy Forum 2017」の開催(ギリシャ)
1-4日 米国のジェームズ・マティス国防長官が日韓を歴訪
2日 ロシアのプーチン大統領がハンガリーを訪問(ブダペスト)
3日 ロシア中銀理事会
3日 米国1月雇用統計発表
3日 英国除くEU首脳会合(マルタ・バレッタ)
5日 リヒテンシュタイン議会選挙

【来週の予定】
2月6日 EU外相理事会(ブリュッセル)
6日 第10回日本国際漫画賞授賞式(東京)
6-7日 モルドバのIgor Dodon大統領がブリュッセルを訪問
6-9日 アフリカ鉱業投資会議「マイニング・インダバ」(南ア・ケープタウン)
7日 米国12月貿易統計発表
7日 EU一般問題理事会(ブリュッセル)
7日か8日 ロシア1月CPI発表
7-8日 国際観光展「IMTM 2017」(テルアビブ)
7-17日 ウルグアイのバスケス大統領がロシアを訪問
8-10日 第2回国際観賞魚貿易と技術セミナー(コロンボ)
10日 日米首脳会談
12日 トルクメニスタン大統領選挙
12-14日 サウジ 水と環境フォーラム(SWEF)2017(リヤド)

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2017年1月31日(火) | [ ]

今週からトランプ政権、というかトランプ氏による「ワンマン劇場」が始まる。TPPは仮死状態、「バイ・アメリカン」、「エンプロイ・アメリカン」もスローガンとしてなら良い。だが、米国の企業が外国に出れば関税をかけるとか、日本では米国車が売れないのは不公平などと言われても、全く話にならない。WTO協定との関係はどうなるのか。

トランプ氏はCIAに出かけていって、先週の就任式の一般参加者数について米国のメディアを批判していた。やはり恐れた通り、トランプ氏は「統治モード」にギアを切り替える気はなく、今後も徹頭徹尾、「選挙」、「キャンペーン」モードを続けるのだろう。どうやら、それだけは間違いなさそうだ。

〇欧州・ロシア
23日にフィロン仏共和党大統領候補がドイツのメルケル首相と会談する。24日にはイタリアの最高裁が新選挙法の合憲性について、英国の最高裁が英国のEU離脱の合法性について、それぞれ判断を下すという。26-27日にはユーロ加盟国がギリシャ問題について議論する。欧州では、なぜ時間がかくもゆっくり進むのだろうか。

〇東アジア・大洋州
27日から旧正月が始まる。韓国は30日まで、中国では2月2日までが休みになるらしい。という訳で今週、東アジアは静かだが、23日から27日まで東京で自衛隊が中台軍事衝突を想定した図上演習を行い、在日米軍がオブザーバーとなるという。今回は単なる可能性ではなく、現実となり得るから怖い。

〇中東・アフリカ
23日にカザフスタンのアスタナでロシア、トルコ、イランの三国がシリア和平問題を議論する。シリア問題はジュネーブで議論している筈なのに、なぜ今アスタナなのか。この背景には、ロシアとトルコの両大統領の合意がある。このアスタナ会合はジュネーブ協議を補完するものだというが、実態はロシア・イランにトルコが加わったのだろう。
いずれにせよ、ロシアがシリア問題を本気で解決するとは思えない。ロシアの目的はシリアを未解決にし続けることで、米国に対するロシアの協力の価値を高め、最終的には、ウクライナ、クリミア問題で始まった経済制裁の解除を米国に認めさせることだ。その意味でもトランプ氏はプーチン大統領にとって「鴨が葱」である。

〇南北アメリカ
トランプ氏と米国メディアの戦争が深刻化している。このままガチンコを続ければ、犠牲者が出る。誰が犠牲になるかは現時点ではわからないが、最終的に被害を被るのは米国民だろう。しかし、トランプ氏は気にしていないらしい。彼は「大統領」であり、確信犯的に政策を実行し始めている。当面は誰もこれを止めることは出来ないだろう。
 
〇インド亜大陸
26日にUAEアブダビの皇太子がインドを訪問する。アブダビとインドが意外に近いことはあまり知られていない。そういえば、アブダビに限らず、湾岸諸国では多くのインド人が中間管理職として働いていたことを思い出した。今週はこのくらいにしておこう。

1月23日 EU農水相理事会(ベルギー・ブリュッセル)
23日 シリア問題の解決に向けての「Astana peace talks」の開催(カザフスタン・アスタナ)
23日か24日 ロシア2016年鉱工業生産指数発表
23-24日 ストルテンベルグNATO事務総長が北大西洋理事会の議長を務める(クウェート)
23-26日 欧州議会委員会会議(ブリュッセル)
23-26日 日・トルコ経済連携協定交渉第6回会合(トルコ・アンカラ)
23-29日 対日理解促進交流プログラム「カケハシ・プロジェクト」により米国大学院生が訪日
23-2月1日 第140回WHO執行理事会
23-30日 第34回ハルツーム国際見本市(スーダン)
24日 H-IIAロケット32号機によるXバンド防衛通信衛星2号機の打上げ(鹿児島・種子島)
24日 英最高裁がEU離脱の議会承認めぐり判断
25日 「帝国の慰安婦」名誉毀損事件の刑事裁判判決(韓国・ソウル)
25-27日 西アフリカ地域エネルギー協力サミット(コートジボワール)
25-28日 IMFのラガルド専務理事がウガンダを訪問
26日 ユーロ・グループ(非公式ユーロ圏財務相会合)(ブリュッセル)
27日 EU経済・財務相(ECOFIN)理事会(ブリュッセル)
27日 米国2016年第4四半期および年間GDP(速報値)発表
27日か30日 ロシア1~11月貿易統計、12月雇用統計発表
27-30日 韓国旧正月休暇
27日-2月2日 中国春節(旧正月)休暇
29日 岐阜県知事選挙
29日 仏社会党が大統領予備選決選投票


【来週の予定】
1月30日-2月1日 サイバー技術国際会議「サイバーテック2017」(イスラエル・テルアビブ)
30日-2月2日 中東地域医療産業見本市「アラブヘルス2017」(UAE・ドバイ)
31日 ユーロスタット、12月失業率発表
31日 最高裁「養子縁組無効確認」判決
31日 ブラジル12月全国家計サンプル調査発表
31日-2月1日 米国FOMC
最終週 アンゴラ中銀、金融政策委員会
初旬 中国2017年主要統計の発表日程公表
上旬 ケニア中央銀行、金融政策委員会
上旬 中国2016年通年貿易統計発表
上旬 インド2016年度GDP予測発表
上旬 メキシコ12月CPI、自動車生産・販売・輸出統計、11月鉱工業生産指数発表
上旬 ブラジル12月IPCA発表
中旬 メキシコ12月雇用統計発表
中旬 中国2016年通年経済指標(GDP、CPI、固定資産投資、社会消費品小売総額など)発表
中旬 南ア12月CPI発表
中旬 ブラジル11月月間小売り調査発表
下旬 ブラジル12月全国家計サンプル調査発表
下旬 ナイジェリア中銀、金融政策委員会
下旬 第28回アフリカ連合(AU)総会(エチオピア・アディスアベバ)
下旬 メキシコ11月小売・卸売販売指数、12月貿易統計発表
下旬-2月上旬 第19回東アフリカ共同体(EAC)首脳会合
月内 オーストリアのクルツ外務・欧州統合相がジョージア訪問
月内 IMF、世界経済見通し(World Economic Outlook)発表
月内 世界銀行、世界経済見通し(Global Economic Prospects)発表
月内 ジョージアのクビリカシビリ首相がイタリア訪問
月内 英国最高裁、EU離脱通知の議会承認の要否に係る判決公表
月内 ウズベキスタンとタジキスタンの首都間で直行便運航が再開
月内 パキスタン中央銀行、金融政策決定会合
月内 西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)首脳会議(コートジボワール)
月末 米国大統領一般教書演説
2月1日 ブラジル12月鉱工業生産指数発表
1日 欧州中央銀行(ECB)政策理事会(非金融政策)(フランクフルト)
1日 インド2017年度政府予算案発表
1日 米国FOMC
1-2日 欧州議会本会議(ブリュッセル)
1-2日 「Athens Energy Forum 2017」の開催(ギリシャ)
3日 ロシア中銀理事会
3日 米国1月雇用統計発表
5日 リヒテンシュタイン議会選挙

(宮家邦彦 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

2017年1月24日(火) | [ ]